認知症母の遠距離介護記録

91歳独居の母は要介護1。認知症で高齢者のADHD、片耳ろうからの両難聴。眼底出血による視野狭窄と視力低下。そして腰椎圧迫骨折!! 東京~九州で、遠距離介護しています。執筆者は1965生の娘。いろいろあるけど、まあいい!

高齢母の入院をきっかけに ③民生委員ほか、地域の方とつながることができた

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それまでの私は孤立無援の中で遠距離介護を続けつつ

それが孤立無援であるとは思っていませんでした。

母は「死ぬまで自宅で気ままに暮らす。絶対に施設なんて行かない」と言い張るし

娘の私がだれかに「たすけて」と言うのもおかしかろう。

「要介護」「要支援」なんてうちには関係ないことだろうなと感じていたのです。

 

しかも、実家といってもうちは転勤族。私はご近所さんと面識がありません。

今の家は、定年退職した父が、気に入った新興住宅地の物件を購入したものです。

私は、家はもちろん、このまちにも、暮らしたことが一度もありません。

長く親元に寄りつかず、ご近所さんも存じ上げませんでした。

遠距離介護を始めたものの、周囲とどうお付き合いしたらよいものか

答えは出ずにいたのです。

もうひとつ問題なのが、母が、社会的な活動を積極的に行う女性だったこと。

民生委員は20年くらい務めていたし、社協社会福祉協議会)がらみの活動も行っていました。

「え、あそこの奥さん、認知障害だったの!?」みたいなことになったら

母が気の毒だし、母の活動を邪魔することにもなるでしょう。

母の様子がおかしなことを、だれにも相談できなかったのです。

 

それが母の入院をきっかけに、周囲とどんどんつながることができました。

まず、入院先に、民生委員さんが来てくださいました。

「入院したと聞いたんだけど、ホント?」と、病室に訪ねてきてくれたのです。

まさかの出来事でびっくり! 偶然です。とてもありがたかったです。

以後民生委員さんとは密に連絡を取らせていただいています。

また、病院に、退院後の支援をサポートしてくださる相談員がいらっしゃり

社会福祉協議会地域包括支援センターにつないでくださいました。

おかげで母の入院中、地域包括支援センターの方も病室にお越しになり

今後の対策を立てることができました。

私の悩みは杞憂で、みなさん、母のことを第一に考えてくださり

快く、温かく、サポートしてくださったのです。

 

母が朗読奉仕(読み聞かせ)に伺っていた3軒の保育所にも

連絡を差し上げて、状況をご報告するとともに

母がご迷惑をおかけしていないか、聞き取ることができました。

みなさん、とても母の読み聞かせを楽しみにしてくださっていて

それがわかったのも安心というか、大きな収穫でした。

 

さらにご近所さんにも

「先日は夜間に救急車騒ぎを起こし、失礼いたしました」と

お詫びかたがた、ご挨拶することができました。

面通しした上で、私の連絡先などもお伝えし、自己紹介もできました。

母の入院をきっかけに、今の遠距離介護の体制が整えられたのです。

しかもいつも元気な母が入院したので、

周囲の方が高齢者を気遣うモードになってくださいました。

 

このようにして

母の入院自体が、遠距離介護のエポックメイキングな出来事になったのです。