認知症母の遠距離介護記録

91歳独居の母は要介護1。認知症で高齢者のADHD、片耳ろうからの両難聴。眼底出血による視野狭窄と視力低下。そして腰椎圧迫骨折!! 東京~九州で、遠距離介護しています。執筆者は1965生の娘。いろいろあるけど、まあいい!

高齢母の社会活動「読み聞かせ」

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「今日はものすごくうれしいことがあったの」
夕方の日課電話のとき、母が話し始めました。
ローソンに買い物に出かけていたら、近所の公園のそばで、
少年に声をかけられたそうです。
「読み聞かせをしている◎◎さんじゃないですか?
ぼく、保育所のときに読んでもらっていました」

聞けば今は小5だそうで、今でも本を読むのが大好きなのだとか。
「うれしかったねぇ。『たくさん本読んでね。がんばってね』と言って別れたけど
ローソンに着いたらうれしくて涙が出てきちゃったよ」

たしか私が高校生の時分、家を出てからすぐの1982年から
母は読み聞かせを始めました。もうすぐ40年になります。
はじめは児童養護施設で。長く通っていましたが、
その施設が閉園になってから今度は保育所へ(飛び込みで行ったと聞いています)。
現在は3つの保育所に月2回ずつ、通っています。
うちからバスに乗って、バス停からまた歩いて。
3つある保育所を間違えたり、約束の時間を間違えたりすることも増えましたが
それでもまだ現役で頑張っています。母87歳。
子どもたちに読み聞かせする時間が大好きなのだそうです。
母の大切な「生きがい」です
子どもたちや保育園の先生方、園長さんに、支えていただいてることを感じます。
ありがたいことです。

母と買い物をしているスーパーや、バスに乗っているときに
子どもたちから「◎◎さん、こんにちは!」と時々声をかけていただきます。
相手が親子連れのこともあります。
もちろんどなたなのか、母には全くわかりません。
いつも母は
「こんにちは。いくつになったの? そう。小3か。立派になったね。
学校生活元気で頑張ってね」と、ニコニコしてお返事しています。
子どもたちも母も、とてもうれしそうです。

母の読み聞かせの原点が、上の写真の日本と世界の童話宝玉選です。
自分の子どもたちへの読み聞かせが始まりでした。
私も幼い頃ずっと、毎晩母の読み聞かせで眠りにつきました。
当時の『日本童話宝玉選』『世界童話宝玉選』が今も私の手元にあります。
このほかに古事記ギリシア神話なども大好きでした。
私のベースになっているといっても過言ではないかもしれません。

監修はどちらも「佐藤春夫」!  萌えるなぁ。
“日本”を開いてみます。贅沢なつくりに感心します。

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特色2色刷あり、カラーの別紙挿絵あり。

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続いて“世界”。おやゆび姫ですね。挿絵いいです。
自分のアンデルセン好き、イソップ好きのルーツがここに。
 

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“世界”の巻末に“日本”の広告が。読み聞かせ用の
スペシャル編集だったことがうかがえます。

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おかげで古事記好き、民話大好きな人間に育ちました。
おかあさん、ありがとね。