認知症母の遠距離介護記録

91歳独居の母は要介護1。認知症で高齢者のADHD、片耳ろうからの両難聴。眼底出血による視野狭窄と視力低下。そして腰椎圧迫骨折!! 東京~九州で、遠距離介護しています。執筆者は1965生の娘。いろいろあるけど、まあいい!

「お母さんに甘えたいのっ!」私の中の小さい子の叫び

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母のお世話をしていて、私がもっとも手を焼くのは
私自身のことです。私の中の小さい子。インナーチャイルドのこと。
私は幼いとき、かなりのお母さん子でした。

以前入院していたときに比べて今の母はそこそこ元気で、
そこにいるだけだと、かつての「お母さん」がそこにいるように錯覚します。
錯覚してしまうと、私の中の小さい子は
お母さんに甘えたくなってしまうことがあります。まだ、ある。もうすぐ55歳だけど。
すると、どうしてお母さんは理不尽なことを私に言うのか
私は頑張っているのになぜ褒めてくれないのか
私の中の小さい子は顔を真っ赤にして怒って、泣いて、猛烈に抗議します。
だって見た目には「お母さん」ですから、
すでに多くの時間、目の前の母が「お母さん」ではないことについて
納得できない
のです。

 

そんなこと言ったってしょうがないし、どうしようもないのです。
わかっています。でも苦しいときはあります。
大きい私は、モヤモヤしたら、紙に気持ちを書き殴って、
もうめちゃめちゃに書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて
ちりぢりに破いてからゴミ箱に捨てます
それで少しだけスッキリするかな。
そして、家仕事をしながらつとめて口角を上げます。形から入る!

 

老いて困った母に「お母さん」を求めるのは私の甘え、私の幻想。
残念ながら、願ってもどうしようもないことだと大きな私は知っています。
小さい子に、「でも、お母さんと過ごせてよかったね。
こんな時間を持てるなんて思ってもみなかったね」と話しかけると
次第に穏やかになります。
胸のあたりを手のひらであたためるようにして、小さい子を温めてあげます。

残された時間は、神様からのかけがえのない贈り物
あと10年、20年かもしれないし、1年ないかもしれないけれど。
そばで触れていられるのはうれしいことです。
今それを噛みしめなくてはもったいない。

 

昨日、洗濯したはずのTシャツが見あたらないのでキョロキョロしていたら
母が持って現れました。
「シャツの裾がほつれていたから繕っておいたよ。自分では見えないものね」。
突然現れた、私の大好きな「お母さん」にびっくりして
別室に行って少し泣きました。
母さん、ありがとうね。


繕うのに使った針がトイレのトイレットペーパーに
刺さっていることもあります。コワい。

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何かのおまじないなのか…