認知症母の遠距離介護記録

91歳独居の母は要介護1。認知症で高齢者のADHD、片耳ろうからの両難聴。眼底出血による視野狭窄と視力低下。そして腰椎圧迫骨折!! 東京~九州で、遠距離介護しています。執筆者は1965生の娘。いろいろあるけど、まあいい!

睡眠不足で物忘れ

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ねこ、電車、さくら…

私自身が医療機関
長谷川式認知症スケールをやってもらったことがあります。
今から13年ほど前だったか、40代前半、2007年くらいの話です。


当時、記憶がどんどんこぼれていくような感覚があり
ものを覚えられなくなりました。
いちばん困ったのは、時間の感覚がまったくつかめなくなったことです。
私たちは日常を過ごす中で、ふつうに、
時間の感覚、時間の体感というものが備わっているのです。
それがなくなると社会的な生活ができなくなってしまいます。
仕事で電車や飛行機に乗らなくてはいけないのに
「5分」「10分」の感覚がまったくわからず途方に暮れました。
時計を凝視してただ猛烈に緊張…
しかし、その時計すら意味を失いかけてきました。
仕事の電話をしている時には、誰と話しているのかを忘れてしまいます。
仕事に支障をきたすようになり、職場の近所の脳外科を受診しました。


そこで長谷川式認知症スケールを受けました。
「ここに何が入っていますか?」なんて覚えられるわけもなく
数字を記憶するとか、暗算ができるわけもなく、絶望的。
でも「ねこ」「電車」「さくら」の3つの単語だけは今もハッキリ覚えています。
結果は「20」ギリギリくらい。
「年齢にしては低いのが気になるし、脳のCTには萎縮が認められる。
若年性アルツハイマーが気になるから脳の権威を紹介する。そちらで診てもらうように」
と言われました。

仕事に戻ると、職場の後輩に
「フクさん、一度ちゃんと眠ってみたらどうですか。
フクさんふだんあまりちゃんと寝ていないじゃないですか」
と言ってもらったのをきっかけに
「そうか、うちに帰ったら布団で寝てみよう」と素直に実践。
それまで私は、ショートスリーパーへの憧れもあり、多忙さにかこつけて、
睡眠は1日3時間、4時間半眠れば御の字の暮らしを続けていました。
いつでも起きられるように、
布団には入らず、仕事している座卓の下で、
ゆかの上で休むようにしていたのです。
完徹や1、2時間睡眠もザラでした。
移動中に車の中で瞬間(10分とか15分とか)に深く眠る、など。
電車移動中はアラームかけて、マスクして、5分でも眠る。食事中の寝落ちは多く、外食時に店で食事中に落ちてしまい、お店の方がすっ飛んできたことも…。信号待ちで立ったまま、歩きながら眠っていて顔見知りのおばちゃんに注意されたり…。慢性的な睡眠不足が何年続いたでしょう…まあ、よく生きてたな、おれ。

その日から毎日布団で、だまされたと思って1日6、7時間休むようにしたら
みるみる記憶力がよくなってきて、
2、3日で時間の感覚が戻ってきて
やがて電話の相手も忘れなくなりました。
霧が晴れたように頭はクリア。
脳の権威医師を受診する頃には、記憶に何の問題もなくなってしまいました。
診察当日、権威医師には、脳のMRIなどを撮影していただきましたが
もちろん異常はなし。お忙しい権威医師に、申し訳ないことをしてしまいました。
「あの、睡眠不足で記憶ができなくなることはあるんでしょうか?」と伺ったら
「当たり前でしょう。
記憶は睡眠でしか定着しないんだ!」と
吐き捨てるように言われました。
ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい!!!
ちなみに「萎縮と言っても、脳のCT画像とか、
アテにならないから」だそうです。


以来、眠りを、とても大切にするようになりました。
今は、できる限り7時間眠ろうとしています
ちょっと遠回りしての会得でしたが
よいパフォーマンスのためには、
睡眠と食事(栄養)
をしっかりとること。
健康なこころと体の基本です。
睡眠をあなどってはいけない

 

親も大事だけど自分も大事。大切にいたわってねぎらって…。