認知症母の遠距離介護記録

91歳独居の母は要介護1。認知症で高齢者のADHD、片耳ろうからの両難聴。眼底出血による視野狭窄と視力低下。そして腰椎圧迫骨折!! 東京~九州で、遠距離介護しています。執筆者は1965生の娘。いろいろあるけど、まあいい!

小銭貯金が水の泡!? 「大量硬貨取扱手数料」にへこむ高齢親

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母は、私が幼い頃からずっと倹約家でした。
「無駄遣いは敵!」
「人が休む間に働け!」が口癖で。
それもあってか、洗濯機も、冷蔵庫も、炊飯器も、電子レンジも、
家電が揃うのはよそのお宅よりもかなり遅かったです。
でもね、母さん。
いずれの家電も家事の所要時間と労力を節約するするもので

決して「無駄遣い」じゃないと思うんですよ。


洗濯機が我が家やってきたのは1973年。
購入したのは兄と私、一家の子どもたちでした。
当時(私は小2)、母と子どもたちは大阪、父は仙台に単身赴任しており
母が仙台に父のサポートに行き、大阪不在の1週間に
母を喜ばせようと、兄と私がふたりでお金を出しあって、
洗濯機を購入したことを覚えています。


今でも母は、キッチンの小さなカゴや缶の中に
おつりでもらった小銭を貯めてホクホクしていました。
「1円でも無駄にしてはダメ! 
お母さんは小さい時には貧乏でお金に苦労したんだから」
とよく口にしていました。


でもね、母さん。
マイバッグを持参したら5円でも2円でもトクだと思うの。
※母は長くマイバッグ持参ができませんでした。マイバッグの管理も結構大変。ADHDにとってまたまたハードル高いことです。
それからうちを片づけていると、
いろんなところから小銭がたくさん出てくるよね。
  

カゴにいっぱい貯まると、母は全部数えて紙に書き、
預金の窓口に持っていきます。
結構手間だし重いのですが、
母に取ってはお金の重みほどうれしいものはありません。


でもね、母さん。
小銭はこまめにキャッシュディスペンサーで預け入れするほうが
銀行の方もこちらもラクだと思うの。
※母はキャッシュディスペンサーを避けている模様。  多分使えないんだな。

…なんて、言えません。
正確には一度は言ってみます。
そのときのリアクションを窺って
母ができないことや、忘れることが推測されるなら、
二度目はもう言わない。そんな感じでしょうか。


そんな母が7月帰省時にちょっとしょんぼりしていました。
7月帰省時のこと。いつもの場所に、小銭貯金のカゴがありませんでした。
「あれ、母さん、小銭のカゴ、どうしたの?」
と訊くと、
「やめた」とへこんでいる模様。


なんでも、制度が変わり、小銭を銀行窓口に持っていくと
結構な手数料を取られるようになったのですって。
これですね。2020年4月から各金融機関で実施されているようです。

みずほ銀行の場合(銀行ごとに取り組みの内容は異なるようです)

www.mizuhobank.co.jp
1円玉を、1001円分貯めて窓口に持参したら、
手数料が1980円ですって。おーい。
まあ、時代はキャッシュレスですからね。しょうがない。


「もう小銭を残さず、キッチリ払うことにした。
もったいない」とむくれる母。

おおっ。それはそれでなんだかよかった気がするぞ?
娘は母の買い物を見ていて、
「小銭の出し方が混乱しているのではないか、もしかして」
と疑っていたのですよ(札でしか出さなくなっていたから)。
まだ、ちゃんと支払うことができるんだね!

 

あるいは、私がこまめに、キャッシュディスペンサーに通うことになるのか
ドキドキして行く末を見守りたいと思います。