認知症母の遠距離介護記録

91歳独居の母は要介護1。認知症で高齢者のADHD、片耳ろうからの両難聴。眼底出血による視野狭窄と視力低下。そして腰椎圧迫骨折!! 東京~九州で、遠距離介護しています。執筆者は1965生の娘。いろいろあるけど、まあいい!

遠距離介護ことはじめ__5年前の介護帰省はじめを振り返り

「生きているうちにあと何回会えると思ってるの!? 
たまには顔見せなさい!!」

と母にヒステリックに怒鳴られ、しぶしぶ帰省したときの室内画像(2015年9月)。
写真の整理をしていたら見つけました。
かなり久し振り、2年近くあけて、2泊3日の帰省。
私、ちょうど50歳でした。
実家に入るのに「お邪魔します」としか言えない娘でした。

久し振りの実家は結構な荒れ方で。
ありがたいことに、今見ると懐かしくさえ感じます
今、1カ月ぶりに帰ったときとは、ひどさの質が違うというか。
介護帰省するようになってよかったと、あらためて自画自賛できました

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セルフネグレクト??」という言葉が頭をよぎりました。以降、以前より頻繁に帰省するようになります。2015年は、9月、11月、12月帰省。2年近くあいていたのと比べると…。でも、まだ、すべて2泊3日の日程です。実家に長居ができなかったのです。

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このとき、ゴミ回収業者に電話で依頼をしておき、片付けをしたあとで、まとめて引き取ってもらいました。たしか、2トン車に詰め放題で2万円くらいだったような記憶があります。専門業者さんは分別不要で、家電まで対応してくれてありがたかったです。ただ、以降は市役所の清掃局に相談したら目を見張るほどのコストダウンに。まずは実家のある地方公共団体への相談をお勧めします。


その前年2014年に義父を送り、義母を2015年2月に送り、
嫁の務めはひと通り果たした気がして
「これからは自分の母をちゃんと世話させていただきます」と夫に宣言しました。
夫は私の申し出を快諾してくれ、今に至ります。ありがたいことです。

 

務めといっても、義父母とも離れて暮らしていたし、
夫は次男で、義父母には同居の長男がいたし、私はさほど何もしていません。

誰かに言われたわけでは全くありませんが、自分で勝手に
「結婚したからには嫁ぎ先最優先」と思っていて、
自分の母のケアは二の次三の次にしていました。
九州と大阪で離れているとはいえ、私には兄(長男)もいることですし、
嫁いだ娘が入るとややこしいとも思っていました。
それ以前に、母娘関係がこじれていたのが第一ですけど。

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実父が亡くなってしばらくは、闘病中から引き続き、毎晩電話をしていましたが
それも母と衝突してからは、週末だけ様子見の電話をする程度に。徹底して、実家を避けました。
母の強烈な束縛から猛ダッシュで逃げまくる構図です。思い起こせば私の猛ダッシュ16歳から始まり、家を出て、実家四国、私は京都で下宿生活スタート。大学生になると(実家九州、私は大阪)、年に一度2泊3日の帰省が精一杯になりました。
うち、実父のがん闘病期間中の1年間は、週末のたび、1泊2日か日帰りで、大阪~九州往復。実父とはあまりしゃべったことがなかったので、最期の1年はかけがえのない時間でした。
父さん、その節はありがとうね…。

翌2016年、最初の帰省時の4月に、
近隣県で熊本地震本震に見舞われました。このとき母に、
「できれば3カ月に一度くらい帰ってきてほしい」と言われ
介護帰省が始まりました。
母の認知症が気になり(当時はMCIだと思ってました。ADHDに気づかず)、
3カ月あけている場合じゃないなと思い、
2カ月に一度などの試行錯誤をして
2017年からはおおむね1カ月に一度のサイクルになり、今に至ります。

2017年5月のGWに1週間帰省。
そんな長く帰省するのは、高校時代以来、実に30年ぶりで、
胃が痛くなるほど緊張したことを覚えています。
いやー、放蕩娘ですねー。
ホントに実家が苦手だったんです。


たかだか5年で、居住空間も母娘関係も、がらっと変わります。
それを思うとちょっと感慨深いです。

私は飛び出していた時間が長く、ちょっぴり後ろめたさもありますが
結構な仲違いして飛び出しても、
終わりよければすべてよし、とも少し思っています。
飛び出したことを後悔もしていません。ショウガナイヨ、くらいで。
最期に間に合って幸せだとも思います。
母の残り時間は、最高に幸せな時間にするのだ!

「あなたを大切だと思っています」という気持ちが
母にしっかり伝わるように、気を引き締めて臨んでいく所存です。