認知症母の遠距離介護記録

91歳独居の母は要介護1。認知症で高齢者のADHD、片耳ろうからの両難聴。眼底出血による視野狭窄と視力低下。そして腰椎圧迫骨折!! 東京~九州で、遠距離介護しています。執筆者は1965生の娘。いろいろあるけど、まあいい!

今何歳だと感じているか、高齢母に聞いてみた

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今日も母は私に
「フクは三十いくつになったの?」と聞きます。
「やだー、母さん。うれしいけど、もう55歳よ、アラ還よ!」と言うと
「大丈夫よ、三十代に見えるから」と母。
…いや、多分見えないと思うけど、
母の目にはマスキング効果のある特殊フィルターがついているのかもしれません。


「ねえ、母さん。今、気持ちは何歳ですか?」
今度母に会ったときに聞いてみたかったことを、今日は尋ねることができました。


というのも、自分を振り返ってみると
三十代前半くらいのクールな女性を見ると
相手を年上に感じてしまうことがあります。
ありえないんだけど。瞬間に自分の実年齢を忘れて相手を見ているというか。
二十代の頃は、高校生に対して、よくそう感じていました。
実際には十歳は離れているのに。


最近はさすがに高校生に対してはありませんが
前述の通り、三十代相手には錯覚することが、まだ…(汗。
恥をしのんで正直に言うと、
気持ちは四十代、下手すると三十代で平常運転しているかもしれません。
子がおらず、日々時間的な比較対象がないのも大きいと思います。
家族は一緒に年老いていきます。
ていうか、アラ還しぐさって、なにさっ!?💢 という話はひとまずおいて。


今日、年齢を尋ねたときの母の最初の答えは
「そうねぇ、三十歳くらいじゃないかな」でした。
「思春期の頃の歌なんて歌っていると、気持ちはもっと若いところに飛んでいくわよね。
間違っても、88歳のおばあさんとは思ってないわ
やっぱり。ですよね!!
そんなもんよねー!!!


「じゃあ、鏡見るたびに『うわっ!』と驚く?」
と聞くと、
「そんなんじゃない」。
まあな、私もそんなに鏡の中の年相応の姿にはあまり驚かない。
落胆することはありますが。
ただ、人が私を見ているのと、私が私が見ているのと、なにか違う気はするんですよね。
やはり特殊フィルターかなw。


それから10分くらいして、母はさっきの会話を覚えていたようで(!!)
「50代くらいでいることが多いかもね」と言いました。
実に、私が感じていた、母の自認年齢の最多層もそのへんです。
ただ、回想が始まると、いともたやすく5歳児になってしまいます、母。
「かあさーん、戻ってきて~~!」
まだ戻ってこられるので大丈夫。


母娘、両者とも、時間は伸縮自在というか
瞬時にいくつにもなれるのかもしれません、心は。


やはり、時間ってあるように見えて、ないのかもしれないな。



昔の写真に写った、当時の幼稚園の受け持ちの先生を見ると、今も、どこから見ても「先生」です。その古い写真の中の女性は現在の私よりもずっと年下なのに、決して「先生(=年上)」にしか見えない不思議。昔の写真見るとき、瞬間的に当時の目線に戻るのでしょうか? 建物も、現在との比較では捉えらないんですよね。不思議なことが多くて、にんげんは楽しい。