火の用心、火の用心。
母がきちんと毎回、火の始末を的確につけられるように、
と、願うばかりです。
母が仕事をしている私のところに来ました。
「フタがかたいから、このジュースの蓋、開けて」
ざぼんの皮を煮るそうです。
たしかこの間、「巨大なゆず」って言ってたアレを煮ようとしていますが…
まあ、いいか。
ミニトマトと比較してみました。でかっ。
ドアの磨りガラス越しに、母の様子をそっとのぞいてみました。
やはり料理をするときの母は楽しそう。鼻歌が聞こえるみたい…。
日々のおさんどんは、もうできませんが、
子どもの頃から家の料理を作ったり、
壮年期にはオリジナル料理のレシピを作成したり、
50人分、100人分のごちそうをみんなで作ったりしてきたから、
料理を始めると血湧き肉躍るのでしょう。
料理は、頑張ってきた母自身の、アイデンティティみたいなところがあるように感じます。
し慣れたガスでの調理なら、自在ですが、
IHだとこうはできないだろうな、でも、替えるのなら早いほうがいいな、
え、でもガスを新しくしてまだ2年だよね(もったいない)…
と、私のなかでぐるぐるぐるぐる…。
と。ドンドンドンと激しいノックとともに
鍋を抱えた母。「味見して」
…珍味でした。