認知症母の遠距離介護記録

91歳独居の母は要介護1。認知症で高齢者のADHD、片耳ろうからの両難聴。眼底出血による視野狭窄と視力低下。そして腰椎圧迫骨折!! 東京~九州で、遠距離介護しています。執筆者は1965生の娘。いろいろあるけど、まあいい!

高齢母のキレイキレイ・カモフラージュ

介護帰省した折には、まず台所の片付けから着手します。
置いてある鍋の中をチェックして処分し、
冷蔵庫の中をあらためてから不要品を破棄し。
最初に冷蔵庫内のスペースを空けないと、買ってきた食材が入りませんから。

流しに立って母を見るとこんな感じ。いつでも目に入る場所に徳川家康公遺訓を貼っています。自分がムキーッとなったときの抑止力に。母、暦に夢中ですな…。

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流しのシンクに汚れた食器が溜まっていることは少なく、
おそらく母が、私が帰る前に、急場しのぎの洗い物をするのでしょう。
洗い物カゴの中では洗い上がった食器が曲芸をしています。
この曲芸のせいで、実家の食器には欠けが多いです。
べつに洗い物くらい、いくらでも構わないのに…と少し思います。

曲芸もさることながら、洗い方が適当なのが際立っています(汗。しかし、こうした適当さは、実は若いときからで、「認知症のせい」ではありません(度合いはひどくなりました)。ADHDと考えれば合点がいきます。

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散らかっていることについて、母を責めるつもりは1ミリもなく、
サポートに来た私は、ただ暮らしやすいように粛々と作業を行うだけです。
だって母、できぬものはできぬのです。
家政婦役としては、ただふつうに、できれば笑顔のひとつでも浮かべて、
鼻歌交じりに、ちゃっちゃと片付けていくだけ。

わたし自身が片付けるのが結構好きなのも幸いしているのかもしれません。
むしろ思いっきりやれる片付けは、達成感があるうえに、
自分のストレス解消になるのです。無心になれるから。片付け瞑想
片付けられない母とは、悪くない組合せなのでしょう。


交通機関で、実家への移動中に、
「台所を済ませたら、そのまま家じゅう掃除機かけていくかぁ…」
と計画を立てていましたが、
「ただいま」と玄関を開けたら、迎えてくれる猫(あんぐり。置物です)のそばに
掃除用のバケツが置いてあり、水をたたえていました。

あんぐり(←置物)、ただいまやで。仮面の中に、母がマスクを押し込んでいるのもちょっと気になります。まあ、時節柄家の中のあちこちにマスクが散乱していますが。

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おそらく、母ができるだけきれいに見せようとして、
私の帰宅前に、がんばって、雑巾がけをしたと思われます。
そして、おそらく雑巾がけの途中で忘れちゃったんだな。
バケツのことは忘却の彼方でしょう。そして雑巾はどこだろう。
そして母、疲労困憊のはず。


「お~っ、なんか家の中がきれいだから、掃除機は明日にしようかな」
と讃えながら、この日に掃除機をかけるのはやめました。
掃除機は明日、明日!
多少汚くてもいいのだ。母の気持ちが大事です。

台所の食卓の上に、忘れられた雑巾めっけ!

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なぜかこんなに至近距離にゴミ箱が?
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帰省期間が1週間と、時間に余裕があるのでできることかもしれません。
余裕って大事です。余裕こそ笑顔のもと…。

イラッとしたら、家康公遺訓に戻る。

過去記事の写真を拡大すると、家康公遺訓が読めます。検索されるといろいろ出てくると思います。

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