どうしようもないとわかってはいても、どうしても苦手なものはあって、
私の場合は母の悲鳴を聞くのがとてもイヤです。
まだ慣れません、全く慣れない。
ただでさえ、HSPのために驚きやすく、
大きな音が突然鳴ると、フリーズしてしまうのに。
目の前で、私に対して悲鳴を上げられると、
プッシュパペット(脱力人形)みたいになっちゃって、
生きていくのがイヤになります(大げさ)。
ものすごく打たれ弱い(これは本当)。
母は、難聴のせいで、人の気配がわからないために驚きやすく
驚いたときに猛烈な声を上げます。これも昔から。
しかし最近はいっそう顕著です。それも
あからさまに「キャーッ!」とか、そういうわかりやすい悲鳴です。
通りに響き渡るくらいの、わりと猛烈なヤツ。
たとえば洗面所で母が顔を洗っていて、同じ方向に私が行かなくては行けないとき
「フクがきてますよ、きてるよ、きてるよ!」と
叫びながら近寄ったり
手を打ちながら、壁を打ちながら、近寄るのですが、
母が上の空のときはそれでも届かず、
「キャーッ!!」をかまされます。
至近距離から叫ばれてもダメージが少ないように、
片耳押さえながら腰を引き気味に近寄りますが、それでもなお私は恐いのです。
母は胸を押さえて「心臓に悪い」と私を責めますが
申し訳ないですがこうなると、1ミリも母を心配する気持ちは残っていません。
そのとき私はつらくて絶望のさなかにいて、
もはや母をかまえなくなっています。
ところが、今回の介護帰省時はとくにそれが多くて、とてもつらかったのです。
しかし、ここで負けているワケにはいきません。
猫にスズをつけるみたいに、私にスズをつけておけばいいんだけど
1個のスズで母の耳に届くわけもないし、ホイッスルを吹き続けているのもしんどいし、
手や壁を打って近寄るのは、地味に腱鞘炎にこたえるのです。
しかし、帰省三日目に、突然ひらめきました。
スズだわ。スズを首から提げておけばいいんだわ!
家の中にいるときは、ホイッスルのヒモにスズも一緒につけたものを
首から提げるようにしました。
母のそばに寄っていくときは、手でスズを鳴らします。
10個のスズが鳴り響き結構な音量なので、私の気配が母に確実に届くようになりました。
おかげで母の悲鳴は劇的に減り
私のQOLは格段にアップしたのです。やった-!
通りにはスズの音が響き渡るようになりました。
年中クリスマス。