私に聞かせたかったのか、メモを取って置いていました、母。
昼食の片付けをしていたら、急に母が
「ねぇ、
いとまなき世にはたつとも
たらちねの
親につかふる
道な忘れそ
って、意味分かる?」
と、私に聞いてきました。
「え…。
『忙しい忙しい言うて、親のことほったらかしとんちゃうぞ、このボケアホかす』
くらいでどうですかね?」
母絶句。しまった超訳すぎて通じないか。
「どんなに多忙な社会に活動している人でも、親に仕える道、すなわち孝行だけは忘れないようにせよ…」
みたいなお行儀のいい訳を母が読み上げ(なんだよ、最初からあるんじゃないですか!)
「いいわぁ。美しい。『道な忘れそ』が美しい」とうっとりしています。
「ところで『世にはたつとも』ってなんて意味?」
と聞くので、説明しました。
「『世の中でめっちゃ活躍してたとしても』くらいでいいのでは?」
「この句は、親を持つ万人への教訓の句だわぁ」などと浸っておいでです。
が、いや。ちょっとひっかかりました。
「母さん。私にわざわざその句を言ってくるということは、
もしかしてなにか私の母さんへの態度が不服ですか?」
忙しいときにイラッときて雑にあしらったアレか
何度も説明してちんぷんかんぷんで、だんだん声が大きくなってしまったソレか
胸に手を当てると、すでに昨日今日で、思い当たることが多すぎるのです。
母の私に対する婉曲なクレームか!?
そもそも毎日アレクサコールとかしてるけど
もしかして足りないわけ?
なんか欠乏感があるのか、母さん!?
という私の疑問も、母にはなかなか通じなくて
3度くらい説明したのちにようやく
「ちがう、フクはいい。息子のほうだ。お兄ちゃんには忘れられている」
と、母。
ややこしんじゃぁ~~!!!
「兄さんからは、ほらお歳暮も届いたでしょう?
そのとき電話でしゃべったんでしょう?
ちゃんと思っているから届くのよ? 十分じゃないの」
よくわからないフォローをするわたくし。
「オレ、苦手」の真実は言えないしな。母が悲しむ。
それにしても、私へのクレームじゃないことで胸をなで下ろしました。
いや、こっちが頑張ってあれこれやっているつもりでも
ぜんぜん通じないことがあったとしても。何もおかしくありませんから。
「痒いところはそこじゃない」みたいな。
そんなの世の中では日常茶飯ですもん。
そして、思い当たることが多すぎる自分もちょっといかがなものか。
反省。
まあいい。
次、いきまーす。
手帳の1ページに、明治神宮カレンダーに載っていた句を書き写している母。そして、私、来年の明治神宮カレンダー、東京から持ってくるのを忘れてしまいました。オレのばかばかばか…(号泣)
バス停で撮影した母が、アーティストのお嬢さんみたいでかわいらしかったんですw それにしても母の真意はよくわかりません。ただの「ねえねえ、この歌よくな~い!?」だけなのかな。ホントに!?