認知症母の遠距離介護記録

91歳独居の母は要介護1。認知症で高齢者のADHD、片耳ろうからの両難聴。眼底出血による視野狭窄と視力低下。そして腰椎圧迫骨折!! 東京~九州で、遠距離介護しています。執筆者は1965生の娘。いろいろあるけど、まあいい!

遠距離介護は突然に

人よりも暑がりなので、衣替えは少し早めです。
といっても、最近は処分も進み、服の数も少ないので、
すぐに終わります。
それでも半年に一度、引き出しの奥まで目を届かせて
ワードローブを確認する作業は少しワクワクします。


衣替えをしていると、母の異常に気づいたときのことを思い出します。
たしか2015年のこんな季節でした。
ふと思いたち、いつもの日曜夜の電話のときに、
九州実家の母に
「もう着ない服を私に送ってくださいませんか」と頼んのです。
節約のため、母が着なくなった服のお下がりをもらおうと思ったのがきっかけです。


そういうことを頼んだのは初めてのことでした。
母は衣裳持ちで、おしゃれ着が山になっていますから、ブツはたーんとあります。
捨てられない人なので溜まる一方なのです。
服の山の中には30代、40代で着ていた服もいっぱい。

現在の、母の服の山。かなり改善して、マシになってこの状態です。本人はヨシとしているのですが、もう少し使いやすくして、空間活用したいと娘はこっそりもくろんでいます。
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歓迎はされませんでしたが、それでもしばらくすると送ってくれました。
たーんと、45リットル分くらいあったと思います。
「気を遣わずに、そのまま送ってくれたらいいから」と確かに私は言いましたが、
ものの見事に、全ての服が、グッチャグチャに入っていました。
一枚一枚ひろげてあらためると、シャツにもスカートにも、
ほとんどの服の前側に食べこぼしのシミがついていました。
汚れの首輪がついたものもありました。
それを見ながら、
「よくわからないけど、
多分母さんはこわれはじめている」
予感がして
送られてきた服の山を前に号泣したのでした。
なにかがおかしい、まったくおかしいということに気がついた
最初のできごとです。

 

あれから6年。母と私の関係性も変わりました。
こんなふうに足しげく帰ることになるとは思ってもみませんでした。
だって帰ってみたらやっぱりヤバかったんですもん、いろいろ。
遠距離介護は突然に。

でも、当時と今(5月)の帰省時の台所の様子を比べてみたら
ちょっと「よっしゃあ」と思いました。自分、いい仕事してるかも!
ご覧ください。

2015年の帰省時。
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2021年5月の帰省時初日(帰りたて)。
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目に見える空間を整頓することで
母のカオスを解消したかったのです。


ものは考えようで、あのときヘンなことを頼んでよかったと
今は思っています。その後、実家に帰省するきっかけになりましたから。


送ってもらった服は、食べこぼしのシミが落とせた1、2枚をのぞいて全て処分しました。もう「母のゴミがこれだけ減ったらのならいいじゃないか」という気持ちで。
アレルギー発覚などもあり、あれ以来、私自身は、いわゆるおしゃれ着とは少し距離を置くようになりました。下着はもちろん、ボトムスもトップスも、綿100などのの着心地重視になっちゃって、ヘビーウエイトの綿100Tシャツばかり物色している昨今です。
【過去記事です】

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