「夫が家事をしきるように育てるのは妻の責任たい。
男は、家事ば丁寧に教えて、させんと、しきらんよ。
自分のためにも、夫のためにも、
家事ばちゃんとさせたほうがよか」
私にそう教えてくれたのは、夫(長崎県佐世保市出身)をとても可愛がっていた義叔母でした。
義叔母宅に食事に招かれたときも、たしかに義叔父はフットワーク軽く、
家事をよくサポートしていました。
義叔母の言葉を借りると、義叔父(義叔母の夫)に家事を仕込んだわけですw。
比べてもしょんなかことですが、話のついでに比較すると、
義実家は、男尊女卑激しいうえに、女性は義母だけ。
仕事をしながら、掃除洗濯炊事…
義父と息子の面倒をすべてひとりで見ている状態で、義母が気の毒でした。
義叔母いわく、
「そうしたのはねえちゃん(義母)の責任たい。
そうならんために、
あーたもちゃんと今のうちから考えたほうがよかよ」。
義叔母の言葉は、目から鱗でした。
私自身も似た環境で育ちました。
父昭和6年、母8年生まれの、双方熊本出身。
私の幼少期の60年代、70年代、うちでは男尊女卑がふつうでした。
そういうものだと刷り込まれていたのです。
そういえば、結婚3年目。
私が開腹手術して2週間の入院生活を終えてうちに帰ってきたら
私の留守中、夫が男一人で暮らしていた我が家が鬼汚くて、
まずは気絶しそうになりながら片付けをしてから横になる…
ということがありました。
そうか、自分のために、夫のためにも、
夫には家事を教えて、させなくちゃだめか!
「この人、私がいなくちゃなんにもできなくて。フフフ…」
なんて悦に入っている場合じゃなかったのか。
ということに気がついてから、干支一回りくらいになるでしょうか。
千里の道も一歩から、牛の歩み、三歩進んで二歩下がる、
それでも、雨だれ石をうがつ。
介護同様、こちらも日々トライアンドエラーではありますが
12年前に比べたら劇的に改善したと感じます。
今、遠距離介護から帰京すると、
部屋は掃除機がかけられて清潔だし、洗濯ものも溜まっていません。
快適です。
そして、まだまだまだまだ、伸びしろだらけです!
父は一切家事に関わらない人でした。父存命の1990年前後のこと。母のしていたボランティア活動の一環で、まちに来ている交換留学生たちを実家に招いてもてなしたことがありました。
その日は、父と留学生たちがリビングのソファに腰掛けておしゃべりしながら、母がキッチンで料理をあれこれ作っていました。すると留学生が、とても素直に、まっすぐに父を見つめて「どうしてパパさんはここに座っているのですか?」「どうしてパパさんは、ママさんを手伝わないのですか?」。不思議そうに訊いたそうです。「日本はそういう習慣なのよ」と、母は助け船を出したそうですが、父はかなり気まずかったのでしょう。みなさんが帰ってから「もう留学生をおうちに招くのはイヤ…」とポツリ。アラ還の父、家事をしないことを指摘されたことが、かなりこたえたと見えますw。