認知症母の遠距離介護記録

91歳独居の母は要介護1。認知症で高齢者のADHD、片耳ろうからの両難聴。眼底出血による視野狭窄と視力低下。そして腰椎圧迫骨折!! 東京~九州で、遠距離介護しています。執筆者は1965生の娘。いろいろあるけど、まあいい!

今は「手帳」が高齢母の記憶のすべて

日課のAlexa呼びかけしたら、ひどく険しい顔の母。
「手帳がない」と困っているところでした。
「あれがないと私は目が見えないのと一緒」。
そりゃそうです。
手帳に書いてあることが母の記憶のすべてなのですから。

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「下駄箱の上に置いてない?」の私の言葉に探しに行く母。

 

「うちにあるから大丈夫。落ち着いて探せばすぐ近くにある」
「そうだろうか」
「うん、ちゃんとおうちにあるよ」
(一応、エネルギーで見てみると、近くにある感じはするので私も安心)
「気になるから先にしっかり探したい。
あとでもう一回電話して」とのことなので、一度通信を切りました。

カメラモードに切り替えて、一応私も探してみます。
Alexaカメラ、左右には動かせるけど、上下には動かせませんでした。
画面には見当たらないな。うまく母が気がつきますように!

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20分後に呼びかけるとありました。
「あってよかった、あーん」と泣いています(嘘泣き)。
新しい来年の手帳と一緒にまとめて置いていて、わからなくなったらしいです。さもありなん。

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「でもさ、母さんいっつも探してるよね。
一日一回は大捜索してるんじゃないですか?」
一か八か振ってみました。
「そうなのよ! だからもう、毎日忙しくって!!」
と笑い転げる母。明るくてたいへんよろしい。
「まあ、暇プーしてるよりいいんじゃない? 運動にもなるし」
「そうよね!」……まあいい。ホントに、まあいいのだ。

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手帳をパラパラしながら
「これがないと本当に私、なにもわからないわ」

深すぎてちょっとせつないです。

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手帳が母の記憶。どうやら“長”を引き受けている学習会のことが混乱しちゃった模様です。「今度の3月で“長”は引退したいけど、やめさせてもらえないかもね」と言う母はいつもちょっとうれしそう。もしやみなさん、ふんわり状況をわかっていて、母にやらせてくださっている疑惑を最近私は持っております…。あまりに形だけ“長”だから。でも潮時なのかな。わかりません。天の采配におまかせしましょう。

そんな母は、今日もバスでまちに出てました。
「出かけているほうがずっと元気だから。
うちにいたらボケる
そうなので、これもまあいい、ってことで。

かわいい親には旅をさせろ。

…非行ばあちゃんにならないでね。


母は昔からメモ魔。還暦で他界した父は対称的で、「書いたことに満足して忘れてしまうからメモは危険。書くより頭に刻んで覚えたほうがいい」と言う人でした。手帳の記載内容もめっちゃシンプルだったっけな。どっちがいいとかじゃなくて、と、思い出します。