認知症母の遠距離介護記録

91歳独居の母は要介護1。認知症で高齢者のADHD、片耳ろうからの両難聴。眼底出血による視野狭窄と視力低下。そして腰椎圧迫骨折!! 東京~九州で、遠距離介護しています。執筆者は1965生の娘。いろいろあるけど、まあいい!

多動な高齢母が、わざと嫌がらせ!?

年末の帰省時のとくに前半、私、イライラが高じておりました。
久し振りにリアル母に会い、認知症の進行に動揺したのもあると思います。
ちょっと苦しかったです。
とくにつらいのが、例の母の音読と、歌うたいです。

 

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(手前はキッチン。カウンター越しにダイニングの母が見えます)ああ、母が音読をしている…。実は、母の顔が家康公遺訓で隠れるように構成しています。実家でも東京でもキッチンには遺訓を貼り、💢な自分を戒めますの。私にはすごく効くんです。何者…w。


私がキッチンで作業をしていると、ダイニングにいる母が音読を始めます。
朗々と読み上げるので声は私にもしっかり届きます。
なかなかクセが強く、私にとっては「快」とはほど遠いもの。
HSP的にはなかなかつらい。ちょっと拷問チックです。

さっさと作業の手を動かしながら、口の中でブツブツブツ…
「うるさい、うるさい、うるさーい!! やめてくれ」とつぶやき続けています。
大丈夫。私がキッチンでブツブツ言っても、難聴母には決して聞こえません。
そればかりか、なんだかだんだん母の音読の声が大きくなる気がします。

 

結構苦しいので、キッチンのドアを乱暴に開け閉めして意思表示。
洗面所に行き、鏡の前で
「うるさい! もういい加減、やめてくれないかな!!」
と叫んでから(母には聞こえていません)、深呼吸してキッチンに戻ります。

…私が戻ると、いっそう朗々と読み上げられています。
私に聞かせたいのかもしれません(ごめん、無視します)。
腹が立つので、わざと大きな音を立てて、扉を閉めます。
ばん!

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす。
おごれる人も久しからず、ただ春の夢のごとし。あら大きな音だこと。たけきものも遂にはほろびぬ…」

わかっとんのかーい!!

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キッチンにへたり込んで、ひとりヒーヒー笑いながら作業を続けました。


今度は帰京日のことです。
やがて出かける時間だというのに、思い出して慌てて、ダイニングの床の寸法を測っていました。
床がすっかり傷み、次回帰省時に修繕しなければならないのに、
採寸を忘れていたのを思い出したのです。
工具メジャーがなく、仕方がないので裁縫用の短いメジャーで測り、
足し算して全体のサイズを割り出します。私は計算が苦手です。
さらに、裁縫用のメジャーがクネクネして、空間の寸法を測りづらい…。
私が「イーッ!!」となっている後ろで、母が
「やっとこやっとこくりだした~♪」
大きなお声、スタッカート付きで、元気に歌い始めます。

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マジで、うるさくて計算に集中できないので
「ちょっと今は歌わないでください。お静かにっ!」
と叫ぶと、瞬間は静かになりますが、
ひそひそと歌いながらやがてクレッシェンド。
「♪フランスにんぎょうもとびだして
ふえふきゃたいこがパンパラパン」
「うるさい! 今真剣にやってるからちょっとだまって!!💢」
「おお、こわ。
おこられちゃったヾ(*´∀`*)ノキャッキャ」


…おのれ、わざとやっとるな!?💢


母さん、あなたが快適に暮らせるように、私は苦心惨憺やっているわけですよ💢
と思うんですが、まあ、母にとってはそんなこと、どうでもいいわけで。
母相手に自分が真剣にわめいているのがおかしくなります…。

「ねえねえ、なにを測ってるの? なにしてるの?」
尋ねる母に、正しく答えようとも、もちろん理解はできないでしょう。
「さてなんでしょう?
(話をそらして)そうだ、母さん、今日の夕食の説明するからっちょっと来てください」
と別の話に釣っていきます。

 

人様からすると、たいしたことでもないのでしょうが、
一対一で対峙しているとキツくなることもよくあります。
難聴母相手に、声もかなりデカいし、虐待を疑われることもあるのかも!?

 

なーんて言ってもまだまだ序の口。
私がタフになるしか道はなさそうだし、タフにはなりたいし、
ま、着々と鍛錬していこうと思います(大げさ)。