認知症母の遠距離介護記録

91歳独居の母は要介護1。認知症で高齢者のADHD、片耳ろうからの両難聴。眼底出血による視野狭窄と視力低下。そして腰椎圧迫骨折!! 東京~九州で、遠距離介護しています。執筆者は1965生の娘。いろいろあるけど、まあいい!

不審者!? 実家市警察と民生委員さんに報・連・相

日課の夕方アレクサ呼びかけ。
もうじき桜が散ってしまいそうなので
今年最後の桜を、スマホのアレクサアプリで実家の母に中継しました。

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それにしても、母がなんだかモワンとしているような…?

尋ねると、今日見知らぬ男性(推定60代)がピンポーンとやってきて
「この辺で、Mさんという人のお宅がわからなくて困っている」
とおっしゃったそうです。
母はMさんを存じ上げなかったので、お向かいさんにピンポンして尋ねたら、
インターホン越しにご夫婦で「Mさん? 知らないですねぇ」とのこと。
結局母は、その方と共に10軒くらいの近所のお宅をまわり、
「Mさんという方のお宅を知りませんか」と、
その謎の訪問者と一緒に聞いて歩いたと言います。
結局近所でご存じの方はいなかったそうで、
「今日は公民館が休みだから、
あいてるときに公民館で聞いたらわかるかも」
と言って別れたそうです。

 

?????
あまりにツッコミどころ満載で
私が泡を吹いてひっくり返りそうになりました。

都会と実家地方の風潮を同じに捉えてもいけませんが、
都会は、電話番号をはじめ、個人情報は何人にも漏らしてはいけないというのがデフォルト。
「○○さんのお宅はどこですか」の問いかけからして、かなり訝しく感じます。
しかも、見知らぬ人の家に、ピンポン押して尋ねるものなのか?
そして、なぜ、うちを選んだ?

 

もちろん母はあくまで親切心です。
「逆の立場だったらどんなに心細いか」と思いやりにあふれたことを言いますが
弱者である自分の立場を完全に忘れているので、私の背筋が冷たくなりました。
母は自分の気持ちの中では50代で、気も心もハツラツ…ということが多いです。
自分がもうすぐ90歳になる体力のない高齢者、
しかも独居であることの用心をうっかり忘れます。
「用心、用心、用心、用心…」と気にかけていますが、
話しかけられた瞬間に忘れてしまう感じ。
普段はそれでいいのですが、心ない人に悪用されたらたいへんです。

 

「母さん、そんな時はお向かいさんのように対応するのが正しいです。
知らない人が来ているときに出て行ってはダメです。危ないから。
母さんは【2人組男性には怪しいから出たらダメ】って自分で張り紙してたでしょう?
1人でも犯罪をやるときはやりますよ。
母さんと話しながら、母さんの情報を上手に抜いていくんですよ」
と、お小言しました。
「私だって今になって反省しているんだから」
と母は殊勝なことを言いますが、
母がどれだけ理解できるのか。
たとえ今、ことの次第を理解できても、覚えていられるのか。


あかんや~ん!!!

こうして書いていても気がかりが募るばかりなので、
民生委員さんに電話をかけて、かくかくしかじか相談しました。
すると民生委員さんも驚いて、
「やっぱり、念のため警察にも一報入れておこう」
ということになり、そのまま私が実家市の警察に電話し、
「急ぎではありませんが、心配事を相談させてください」
いえ、ただ、私がビビリなだけですけど。
ビビってるだけっていうのもナンですので…。

 

実家市の警察は、非常に親切に対応してくれました。
現時点ではそのスタイルの不審者の報告はない
と伺って、ひとまず胸をなで下ろしました。

加えて警察の方から、
「そういうときは、『じゃあ警察に聞いてみましょう』と言って、
警察に電話してください」というアドバイスをいただきました。
なるほど、プロのアドバイスはひと味違います。

 

警察への相談が終わった後で、民生委員さんにその報告を行い、
あらためてまた母にアレクサ呼びかけました。

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急いでいるときに限って「リモートビデオオフ」表示って、なんなの、アレクサ!?
母の顔が見えません。まあ、向こうからは私の顔が見えているのでこのまま続けます。

「母さん、念のために警察に相談しましたよ」
たぶん、母の中にしっかり落ちそうなインパクとをそなえた言葉です。
その上でさきほどの警察からのアドバイスを伝えると
「なるほどねぇ。いいこと聞いた。今度同じように来られたらそうします。
私は親切心からだったけど、やっぱりやりすぎたなぁと気になってたのよ」
と母(再び殊勝な態度…)。
「警察に電話するって言ったらいいのね。
それか、お隣さんの職業を言ってビビらせるのもいいね」と言うので、慌てて
「母さん、それはいけません。
人のお宅の職業を多言するのはこのご時世はダメなんです。
個人情報を多言するのはNGですよ」と釘を刺しました。
「そっか! そうだね」と笑っていましたが
…理解できているのか!? …まあいい。

 

さらに1時間後、民生委員さんが私に電話をくださいました。
気を利かせて、母の様子をのぞきに行って下さったそうです
母は、「あなた、いいところに来てくれたわ」と喜んで民生委員さんを迎え入れ、
「こんなことがあって今娘に叱られたのよ」と、しょんぼりしていたそう。
「『そんな時は絶対ついてまわったらダメです。
誘拐されなくてよかったですねえ』と言ったら、お母さん笑っていらっしゃいましたよ」
と民生委員さんが教えてくださいました。

 

救いの手をのべてくださるのが
とてもとてもありがたかったです。

もう、温かいなぁ。

落ち着いて考えて、母が一連のことを覚えていてくれて、ちゃんと私に話してくれたのもよかったなと思いました。離れて暮らす娘にはヒヤリハットでしたが、もしかして取り越し苦労ならば笑い話です。ごめんなさい。守っていただいていることに感謝です。