認知症母の遠距離介護記録

91歳独居の母は要介護1。認知症で高齢者のADHD、片耳ろうからの両難聴。眼底出血による視野狭窄と視力低下。そして腰椎圧迫骨折!! 東京~九州で、遠距離介護しています。執筆者は1965生の娘。いろいろあるけど、まあいい!

実家の防虫剤テロを回避できるか!?

介護帰省の振り返りです。

衣類に執着し、山と積んだ衣類に
大量の衣類用防虫剤を仕込む母。

さらに、台所で、Gやコバエを見つけると、
台所の敷物の下におびただしい数の衣類用防虫剤を仕込みます。
※しかも、防虫剤は「上」に置かないと効果が激減します。防虫成分は重いのです。

自分のお肌が痒くなると
自分のベッドに衣類用防虫剤を仕込んでしまいます。
何度諫めても、諭しても、ダメでした。
母にとっては衣類用防虫剤が正義。

さあ、今度こそ解消するのか!?
実家の、母の衣類用防虫剤ばらまき問題。

年内には解消したいと考えていたのですが、
年内に解消したいということは
今からかかっておかないと間に合わない。
今回取りかかれるところはすべて取りかかっておきました。

母のまき散らしているパラジクロルベンゼンを回収し、
天然素材の忌避剤に置き換える作戦です。

 

密林でポチったのはこちら。
アース製薬が出している天然素材の防虫剤に加えて
樟脳も購入しました。
※樟脳は、当たり前ですが樟脳くさい! 一周回って戻ってきた感じ!
※『ナチューボ』もニオイ強いです。天然素材のせいか、頭痛がするニオイではありません。ニオイがだめでやめました、というレビューもあったのも理解できます…。

母のいちばんの気持ちは
「だいじだいじ衣類をムシから守りたい」なので、
その気持ちへ最大限に寄り添う感じで。
こちらからは以下を訴求します。
1 母さんの健康をいちばんに考えて、
2 たいへん高価な衣類用防虫剤に替えました。
  ※ヤらしいですが、母には「高価」は響くことが多いので。
3 今までのヤツは下手すると物忘れが激しくなる可能性もあります。
  これからの人生、今のうちに対策しておかないと!
  ※物忘れに対する漠然とした不安があるので、使わせていただきました。
4 母さんが信頼している国民生活センターも、問題定義していますよ。
  ※現役時代、母は同団体が出す『たしかな目』が大好きでした。私も中学、高校と大好きでしたw。 

5 今度のは赤ちゃんが使っても安全です。
ほらね、素敵でしょ!


母の衣装部屋やクローゼット、タンスの引き出しに、
一緒に入れていきました。

 

「スゴいニオイ!!」と言うので
「母さんが使っていたパラジクロルベンゼンの防虫剤は
これよりもっともっともっともっと危なかったんですよ」と伝えました。

ニオイが強いということは
認知症のある母にも
「ある」ことがわかりやすいのではないかと思い、その点はよかったです。

 

作業してから2時間後に、また母が
「防虫剤は置かないと!
ちゃんと置かないと、お洋服に穴が開く」と言い出したので
「母さん、安心してください。
さっき一緒に入れて回りましたから
もう一度一緒に確認しましょう!!」
と、二巡目。
もう一度最初から衣類の山やクローゼット、タンスを確認しました。
母も指先確認ができるように。

 

翌朝は帰京日。
ダメ押しでもう一度、出かける前に
「母さん、上等な防虫剤に替えたから一緒に確認しましょう」と、
衣類の山やクローゼット、タンスを確認してまわりました。3回目。
「ここに予備があります。お高いものだから
追加で欲しいときは私に言ってください。私が全部揃えますからね」
と釘を刺しました。
母は、「ええ、物覚えがよくなるの!?」と笑っていました。
※時と場合によりますが、否定的に書かないでおこうとしたら
 こうなっちゃったの巻…(汗

 

うまくいきますように。
たとえ思う通りに運ばなくても、
未来の私が、できない母にいきり立ちませんように。

母が使っていた衣類用防虫剤をまとめて密封し、納屋に隠しました(母からは遠ざけた)。ゴミの日に出さなかった。一幡を殺さずにかくまった北条泰時みたいだと、ちょっと思いました。善児の顔が浮かびます(『鎌倉殿の十三人』、毎週かぶりつきで見ています)。

どうかどうか、新しい防虫剤が「善きもの」として
母の記憶に深く根を下ろしますように!