予定通り、土曜日午前中に
介護認定前の母の受診を敢行。
前夜の夜更けまでゴネられて冷や汗でしたが
朝にはもうすっかりお忘れでした。ラッキー。
私も朝から何も言わず、出かける1時間前に声をかけたら
「そんなの行きたくない!」とブーブー言い
なぜか10分後にはすっかり支度をととのえて、
ひとりスタスタ家を出かけようとする母。
ちょっとどこ行くんですか、母さん!!
慌てて手配済みのタクシー会社にもう一度電話して
「すみません、1時間後じゃなくて今すぐに来てください!!」。
母、多動で、待てないのです(待たせる私がもちません)。
病院に到着すると、みなさんが座っている待合室を抜け
待合室とは少し離れた廊下の突き当たりにある
検査待ちのベンチに座る母。
他のお客様にマウント取ろうとする母を見なくて済むので
私もホッとします。
受付時にはいつものように、
「申し送りです。先生にお渡しください。
母には見えないようお願いします」
として、メモをお渡ししました。
✔ 左側からだけ、少し聞こえます。
✔ 多動です。
✔ 認知症だと思われます。短期記憶が曖昧です。
本人まったく自覚がありません。
診察の待ち時間を
母が大人しくしていられるわけもなく。
てんこ盛りのメニューで必死でアテンドしましたw。
多動の母への対応は
幼児をあやすのに限りなく近いと感じています。
母の笑顔をどう引き出すか。
YouTubeで猫のかわいい動画を見せたり、
前夜に撮影した母の動画を見せたり、
足だけでふたりで体操したり、
リノリウムの床。母は、ダンスしたいダンスしたいと言いました。ヤメテ…
手遊びしたり、
筆談してあそんだり、
しりとりしたり、
小声で歌を歌ったり、
ひたすら時間をやり過ごしました。
母が飽きるのを見越して、次々メニューを替えるのがコツです。
でもね、ここまで来たらこっちのものですから。
「◎◎さーん」と名字を呼ばれたときのうれしさたるや。
柔らかな印象の女医さんがみてくださいました。
いくつかの問診に、母、愛想よく答えるも、
プロには取り繕いが露呈しておりました。
母は気づかないので、まあいい。
そのあと、私だけへの聞き取り。
私だけ残ることに対して、わざわざ母に了承を得てくださるのも、温かい感じでした。
前回の介護認定前以来の受診なので、3年ぶりです。
母の対応を見て
「まだ訪問介護なしで対応しているんですか?」と尋ねられたので、
「それが奇跡が起きまして、半年前から、
週1で訪問介護をお願いできるようになりました」。
それから身体介護はまったく不要で、
むしろ運動機能は上々で問題がないこと、
ただ短期記憶だけが欠落し、1分もたなくなってきたこと、
取り繕うので、通常の会話ではあまり認知症はばれず、
そのせいでご近所トラブルが少々…
と、お話ししました。
おしゃべりが達者なためにバレにくい認知症は
やはり時折いらっしゃるそうです。
「アルツハイマーでしょうね」と先生がおっしゃるので、
「アルツハイマーにしては、身体機能が衰えるのが遅すぎるように感じるのです。
入っているにしても、メインは異なるように思うのですがどうなんでしょう」
とぶっちゃけ相談してみたら
「ちゃんと脳の検査をしたら、たとえば『前頭側頭型認知症ですね』などとわかりますが、お母さんはそういう検査はお嫌でしょう? ならば今のまま、
状況を受け入れて対処していくのほうがいいのでは?」
私もまったく同感なので、たいへんありがたく感じました。
科学的な分析が出てうれしいのは多分私だけ(解剖学が好きなので)。
母自身にとっては不快なだけです。
多動は母らしさでもあり、ここまでそれでやってきた母を、
薬でおさえたくはないというか(少なくとも今は)。
なんてったって、本人はおかしいと思っていないのですから。
本当は母、自分に少し物忘れがあるとは気づいています。
そうそう、母がバスに乗ってまちに出かける話をすると、
先生、「ひとりでバスに乗って、お金を払って、
目的地で降りられるんですか!?」と目を丸くしておいででした。
言外は「この状態の人がそれができる…ってマジで!?」。
というわけで母娘にとってはよい受診でした。
しかもお代は無料。ありがたいことです。
病院を出る頃にはお天気も、母の気持ちもすっかり晴れ晴れ、絶好調に。
とまあ、これは午前中の出来事で
ほかにもてんこ盛りの事象が巻き起こりましたが
この日眠る前には
「病院も終わったし、やったー!!!!
面倒なこと、全部終わったわ。
もう私は娘が誇らしいっ!!」
…どの口が言うの!?
まあいい。
月曜日、面談があることは、母、完全に忘れています。
また1時間前作戦でいこう。
病院待合でも、「私は介護保険なんてまったく関係ないのに、どうして!?」と怒る母に、「母さんの介護認定がおりないと私の帰省の介護割引証明書がもらえないんですよ、以前もそうだったでしょう? 私のためにもお願いします」と、娘の帰省費用削減の重大案件なのだアプローチで対処しました。母も怒り続けるのが面倒になっていることもありw、これが切り札になりました。
うちに帰ってから「いいお出かけでしたね」「ホントホント」。「母さん、今のうちに手帖に書いておいたら?」と勧めると、慌てて受診についてメモする母。ちゃんと今日の日付に書けました。ヨシッ。