認知症母の遠距離介護記録

91歳独居の母は要介護1。認知症で高齢者のADHD、片耳ろうからの両難聴。眼底出血による視野狭窄と視力低下。そして腰椎圧迫骨折!! 東京~九州で、遠距離介護しています。執筆者は1965生の娘。いろいろあるけど、まあいい!

30年間ご挨拶していなかったご近所

山登りや神社で、見知らぬ人にすれ違ったとき
ご挨拶するのと一緒です。
介護帰省している間、実家近辺では
見知らぬ人にも「こんにちは」と挨拶しています。
と、「あら帰っていらっしゃったのね。おかえりなさい」と返されて
えっ? えっ??? どなた????
と驚くことがあります。まあいい。

「実家地方で暮らしたことがないし、私にとってはアウェイなのよ」
と友人に話していたら
「なに言ってんの。8年も介護帰省してたら
向こうではすっかりお馴染みさんだわよ」と言われて
たしかにそのとおりかもと思いました。
自分にとっての「8年」は4週間やそこらの体感ですが
客観的には5年か10年なのかもしれません。

 

5月に帰京する際に
実家近所のバス停で見知らぬ女性ににこやかに声をかけられました。
「初めまして。お宅の裏に住んでいる○△です」と伺って
背筋がシャキーンと伸びました。
それは、私が失礼をぶちかましていたお宅です。
実は、庭の垣根の向こうの裏のお宅に、私は一度もご挨拶したことがありません。
通りが異なるために、町内会でも班が違い、共通の活動も発生しません。
段差があって、うちのほうが2、3メートル敷地が高くなっています。
なんとなく気になってはいたものの
母もまったくおつきあいがなさそうなのをいいことに
私もそれを踏襲して、ご挨拶せず、失礼を通しておりました。
垣根越しに気配は感じるのですが、どんな方かはまったく存じ上げず。
ただ、室内外の小型犬が居るようで、庭仕事するときによく吠えられていました、私。

「お宅の裏」と伺って、ひれ伏すように
「ご挨拶が遅れてたいへん失礼いたしました。娘のフクです」と挨拶しました。
「で、ですね。
お宅の納屋の下の石垣にヒビが入っていて、

これがその写真です」
「ええええええっ!?」
そこへバスがやってきて、慌てて画像を転写するだけして、
私はバスに乗り込みました。

話しかけてきてくださったのは
擁壁修繕の件だったのか!?
この先私はどう立ち回ればいいのやら?

心臓バクバクさせながら帰京して
連絡先を伺いそこなったので、民生委員さんを挟んで連絡先を伺い、
その夜にお電話差し上げました。

擁壁修繕依頼ではなく
「擁壁にヒビが入っていたので勝手にモルタルを流し込んで固めました。
事後報告ですみません」とのことでした。
「ふと見たらいらっしゃるから、
チャンスだと思ってつい声をかけてしまって。
しかも話が中途半端に終わってごめんなさいね。ご心配だったでしょう」
よ、よかった…。😭

 

でも、擁壁の修繕ってそんなラフなことでいいのかも悩ましく
6月にきょうだいが帰省するときに、
一緒に拝見に伺うつもりです。
きょうだいは、仕事でそういう案件を担当したこともあるそうで
私よりはずっと詳しくてありがたいです。
そして裏のご近所に、はじめてふつうにご挨拶しましょう…。

 

だれからも言われないのであえて触れずにおりましたが
擁壁のことは…実はうすらぼんやり、気にはなっていたのです。

問題点として俎上にあがってよかったです。
モヤモヤがまたひとつ片付いてくれるぞなもし。