カメラ介護_認知症母の遠距離介護記録

92歳母(認知症でADHD、片耳ろうからの両難聴、弱視)の、見守りカメラを駆使した遠距離(東京~九州)介護記録。執筆者は1965生の娘(既婚、夫婦二人暮らし)。いろいろあるけど、まあいい! のんきでスミマセン。

認知症母のガスコンロ卒業 まとめ

母はこの1月(母92歳)にガスコンロを卒業しました。
料理好きな母から、ガスを取り上げてしまうのは、
できることをまた一つ取り上げてしまうようで心苦しかったのですが
振り返れば大正解でした。まあ、ほかに選択肢もなかったのですが。
ポジティブアプローチを心がけたのが功を奏して
母も緊張が解けて、お出かけするときなども気楽になったように思います。
踏みきってヨカッタです。その経過をまとめました。
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高齢の買い換えで、高齢者用ガスコンロを選択

子どもの頃から育ての親だった祖母(私の曽祖母)に仕込まれたこともあり
母は料理が好きでした。
私が幼い頃にはしょっちゅう、
マドレーヌやワッフル、パン、草餅に柏餅にみたらしなど
自家製のスイーツを作ってくれたものです。
子どもが巣立ってからは、オリジナルのレシピを考えたり、
留学生や地域の子ども達、高齢者を集めて料理教室を催したり、
料理を生き甲斐のようにしていました。
80歳になっても変わらず、簡単な料理はよくしていました。
ただ、鍋を焦がしてダメにする頻度は増えていました。

2017年(母84歳)に実家のガスコンロを買い替えるとき、
すでに新しく覚えることができなくなっている母に対して
新しいシステムのIHコンロにすることは
今できる数少ないこと…料理することまでを取り上げることになりそうで
私には決断できませんでした。最適解は未だにわかりません。
私が選んだのは、高齢者用のガスコンロ「セイフル」(ビルトインタイプ)。
以降7年間にわたり母を支えてくれて、トラブルを未然に防いでくれました。
いい買い物で、今も使用を継続しています。
【過去記事です】

 

2025年(92歳)、母、ガスコンロを卒業

「セイフル」を導入した当初は、要介護1だったか。
以降も、ヘルパーさんが見守ってくださる状況ならば
煮魚、煮物などは器用につくることができました。
でも一人のときに果敢に挑戦し、私が帰省すると、鍋が真っ黒焦げということも多々。
もともとそそっかしい人で、若い頃から鍋を焦がすことはしょっちゅうでしたが、
否が応でもいずれ「その日」はやってきます。

Amazonのヤカンの購入履歴です。1年に1個ベースならまあ仕方ないかと高をくくっていたのです。でも、そんなことを言っていられなくなりました。最後、今年の1月に買ったヤカンは、母の目に触れない所に隠しております。

ヤカンを焦がしてダメにして、2024年11月に再購入するときに
「次にヤカンをダメにしたら、問答無用でガスを止めることになります。
残念だけど、それが母さんがここで独り暮らしを続ける条件だと思ってください」
と、母に最後通牒をしました。
母には「何を偉そうに! ここの主は私よ💢」と、激怒されましたが。

思いのほか、その日は早くやってきて
その11月に新調したヤカンが2カ月後に焦がしてご臨終になったとき、
1月半ば、母にガスコンロを卒業してもらう決断をしました。

1月に帰省したら、ケトルの口の笛が溶け落ちていました。


ロックボタンでガスをストップ

ガスの閉栓について、調理台下にある元栓を回したら止められると
気軽に考えていたのですが、いざやろうとすると
あまりに錆び付いていてちょっと怖い…。
 

ガス会社に閉栓を相談しつつ、作業員さんに見てもらったら
「今は漏れてはいませんが、固まっているので、ムリに回すとヤバイヤツです…」
とのことでした。
触らないでよかったわー!!!
「もちろん、お風呂は活かしたまま、
ガス会社側でキッチンのガスだけを止めることもできます。

けれども『セイフル』には安全機能としてロックボタンがあるので
それを使ってみてはいかがですか。
もしもお母様に通用しなければ、そのときにガスを閉栓すればいいので」
とアドバイスをいただき、そのようにしました。

これがセイフルのロックボタン。母がコンロを使えないようにするには、小さくわかりづらいところにあるロックボタンをスライドさせるだけ。めっちゃ便利! こんなふうにも高齢者をサポートしてくれるなんて。
ホント、プロに聞いてみるものだと思います。
お風呂はそのまま、台所だけ止めることができるのも驚きでしたし、
先方も、高齢親の閉栓相談には慣れていらっしゃって、心強かったです。 

今、私が帰省して母に料理を作る際には、逆にスライドさせてコンロを復活させます。
母には「その都度、ガス会社に電話して、開栓してもらっています。
ガス会社に、高齢なので母が連絡しても開栓しないように伝えているので
母さんは連絡しても開栓できませんからね」と伝えています。


円満にガスを卒業するポイント1:ご近所への根回し

お世話になっているご近所さんや民生委員さんにも、
私の帰京時に
「いよいよガスを止めます。私が帰京したあと、
もしかすると母がご迷惑をおかけする可能性がありますが
安全のためにガスは止まっているということで口裏合わせをお願いします」
と根回ししておきました。
母が「ガスが使えないの、助けて!!」
ご近所へ駆け込むことが十分考えられるからです。

上記をご近所にご報告し、協力を仰ぐと
「大丈夫、任せて!」など、みなさんご快諾してくださり、これも心強かった。
「ガス会社に教えてもらって、
実はコンロのロックボタンをスライドするだけなんです」と話すと
「うちにもあるからわかるわ!」とおっしゃった方もいらっしゃいました。
ご近所のみなさんもすごく応援してくださって、背中を押してもらいました。

認知症の人がガスを使わなくなるということは
ご近所的には大歓迎の案件。
だって地域の平和に密接につながることですもの。
これまでご心配をおかけしてすみませんでした。


円満にガスを卒業するポイント2:ポジティブアプローチ

ガスを閉栓するにあたり(本当はロックしているだけです)
母ははじめ荒ぶれました。想定内です。
これに対しては
「大丈夫。もう心配なガスは止まったので、これでこれから母さんが
おうちで安心、安全に独り暮らしができますよ!」
というポジティブアプローチが抜群に功を奏しました。

 「クソ娘にガスを止められて家が不便な場所になった」
       ↓か↓ら↓の↓ 
 「うちがさらに快適な場所になったわ♥」

ポジティブワードで、母の中の情報の書き換えを狙い、これが成功しました。

実際に、眠る時も、出かける時も、
もう火の元を気にせずにOKというのは
母にとっても潜在的に大きな安心になった模様です。
不安がなくなり、出がけの行動もたいへんスムーズになりました。

円満にガスを卒業するポイント3:電気ポットへの移行

課題は、朝、神仏にお供えするお茶を淹れる
お湯が必要なことでした。
新たに導入したのは電気ポット。
以前(2017年・母84歳)に導入を試みて、失敗に終わったことがあります。

新しいことを認知症の母に覚えてもらうのは非常に難儀しますが
ここが独居を継続できるかどうかの分かれ道だと思い、
スパルタで電気ポットを使えるようになってもらいました。
力がなくなり、視力が悪くなった母でも使えるように
厳選したものをカスタマイズして、
ヘルパーさんにサポートしてもらいながら導入。
おかげさまで、想像以上にスムーズな移行ができました。

【詳細は過去記事をご覧ください】

 半年経った今、スムーズに運用が継続できています。
ガスコンロ卒業&電気ポットデビューできて
本当によかったとありがたみを噛みしめています。

時が満ちていれば、タイミングさえ上手く合えば
上手に移行できるのかもしれないと
今になって思います。
この先も変化を恐れずに歩みたいと思います。