認知症母の遠距離介護記録

91歳独居の母は要介護1。認知症で高齢者のADHD、片耳ろうからの両難聴。眼底出血による視野狭窄と視力低下。そして腰椎圧迫骨折!! 東京~九州で、遠距離介護しています。執筆者は1965生の娘。いろいろあるけど、まあいい!

研ぎ師に包丁を研いでもらった_介護帰省振り返り

「お母さんはそそっかしいから車の運転なんか絶対ダメ」。
亡父は、母に決して車の運転をさせませんでした。

同じ理由で、母には切れ味のよい包丁を持たせないようにしていました。
それは父なりの愛情ですし、
母は母で、喜んで甘んじていたのでいいのです。
でも、もしも自分が配偶者にそんな判断をされたら
「自分のことは自分で決めらぁ。大きなお世話💢」
と、激怒するだろうなと思いました…。
令和でよかった……。


今も実家の包丁はどれも切れ味が悪いです。
母は切れる包丁を怖がるのでOKですが、
わたしは不便だし気持ちも悪いので
自分がメインで使う包丁はキッチン用のシャープナーで
そこそこ切れるように使いやすく整えて、
母の手が届きにくい奥に置いています。


でも、その自分用包丁もへたってきて、
そろそろ砥石でちゃんとやらないとダメだなぁと
思い始めていましたが、
5月帰省時には、東京から砥石を持参するのを忘れてしまい、
臍(ほぞ)を噛んでいました。
実家用にも砥石買っちゃう? いやいやいやいや…勿体なかろ?

 

そんなある日、ピンポーンが鳴って訪問者あり。
押し売りかと思ったら、研ぎ屋さんでした!
私のこころの声が聞こえたのか!?
「そこの公園で研いでいます。研ぎのご用命はありませんか?」
包丁は一挺500円とのことで、渡りに船。
「一挺お願いします!」

 

預ければ、あとで仕上がりを持ってきてくださいますが
せっかくなので見学に行きました。
自分で包丁を研げるように練習はしていますが
YouTube見ても独学の域を出られず、自信がなかったのです。
「研ぎ方を学びたいので見に来ました」と言うと
「どうぞどうぞ。時々そのような方もいらっしゃいます」と気さくです。

 
撮影もOKでした。

「かえり(バリ)がよくわからない」と言うと
手を止めて説明してくださったりして。

研ぎ師は40代とお見受けします。
長いストロークでテンポ良く研ぐ様が美しく
見入りました。月に600挺ほど研ぐのだそうです。
やっぱり現物見せてもらうと違うわー。
YouTubeでも見たけど、さらにわかりやすいわー。

ものの5分ほどで整えてくださいました。
これでワンコイン! 地方、最高!!

とてもきもちのいい切れ味になりました。
クーッ、かっこいい!!

 

整いました!

というわけで、母が簡単に使わないよう
少し奥に置ききました。
まあ、使ったからとて、さほど危なくはないでしょうが。

 

以前兄が、実家で包丁を使ったときに
「実家のは切れるからこわいわー」と言います。兄自宅のよりも切れるのだそうで。
「危ないから切れないようにしている」と、父と同じことを言うのでした。
繰り返すと、実家包丁は切れ味かなり悪いので、私には謎評価でした。
そうか、これでも切れるという判断か! おそろしや。

確かに切っ先に触れただけでも切れることがあるからアレですけど
ものを切るときは整えた包丁を使うほうが安全だと私は思うんですけどね。
好みの問題なのか?
切れない包丁でかぼちゃ切るときなんて
大けがしそうな妄想が湧き上がりガタブルだけどな…。先入観なのかな。

 

整えられた包丁はカッコいい。

それだけなのかもしれない…私、形から入るタイプです。