認知症母の遠距離介護記録

91歳独居の母は要介護1。認知症で高齢者のADHD、片耳ろうからの両難聴。眼底出血による視野狭窄と視力低下。そして腰椎圧迫骨折!! 東京~九州で、遠距離介護しています。執筆者は1965生の娘。いろいろあるけど、まあいい!

初ヘルパーさん

母が朝6時に起きてきました(いつもより2時間早い)。
「おはようございます。眠れましたか?」と挨拶したら
「眠れなかった。昨日のアレが気になって。
私を老人ホームに入れようとしている。
あの人たちの会社の◎◎◎◎は遠くの老人ホームよ。
知ってるもの。みんなでグルになって💢」

はじめに戻る。
ずっとおうちで一人暮らしを続けるためですよと、一から丁寧に説明して、
なんとか納得してもらいました。

そして火曜日も、ヘルパーさんがひとりでいらっしゃいました。
私が実家にいる間、月・火・水曜(水曜は途中で私がフェードアウト)と、
連日慣らしでお越しいただいて、
木曜日からが本番です。

 

週に1時間、おしゃべりな母に対応しながらでは
満足に作業ができないかもしれないので依頼内容を整理して伝えました。
依頼のいちばんの目的は、
「母の目の前の空間を整理し、
自立生活できるようにしたい」とお伝えしたうえで、
作業の優先順位は以下に決めました。

1 ゴミ出し
2 「洗濯しましょうか」と声をかけてもらってから(たぶん「ない」と言う)
3 床置きされている荷物を精査(買ってきたものにゴミが捨てられている)し、
   母の動線の安全確保。
4 炊飯器の中をあらためて、冷蔵庫整理。母の混乱を解消する。
5 洗面所のつまりを取る。母が暮らしやすいように。

ーーーーーここまで1時間でできればベスト。以下は臨機応変
6 ダイニングのテーブルの整理。母の混乱を解消する。
7 お風呂のチェック。
8 リビングのテーブル上の整理。母の混乱を解消する。
9 時間があったらお食事(そこまで望むのは贅沢ってもんで)。
10 掃除機かけ。


私がいるときに、冷蔵庫整理を一緒にすることになっていたので
ヘルパーさんと共にやりました。
ブンムクレの母。私たちの作業を監視していて、なかなかシュールです。
母に聞こえないように、担当ヘルパーさんに申し送りました。
「圧がすごくてすみません。母の集中力はもたないので
そのうち向こうの部屋に行きますから
もしこうなっても申し訳ないですが焦らないでください」。
※そしてその後、母はちゃんといなくなりました。

ヘルパーさんがいったん全部庫内を奥まであらためて
「なかなかいろいろ出てきますね」と驚いておられました。
外から母を見ているとしゃんとしているので、
ここまでダメというのは想定外らしいです。
もうひとつ、炊飯器も状況保存しておいて、ありのままをお目にかけました。
「すごいものが出ますから、お気持ち、覚悟してください」
「わかりました」
そんな感じでパカッ。
突然アレ(中のご飯が色とりどりに溶けているヤツ)見ると
たとえプロでもダメージあると思ったので…。

結局今日は、冷蔵庫掃除だけでタイムアップ。
書類には母にも加わってサインをしてもらうことに。
作業終了時に母が
「もう本当に汚いことをさせてもうしわけありませんねぇ」
ヘルパーさんに挨拶をしたのが気になりました。
もちろん、外面がいいのでこうした挨拶になるんですけど、
それでも「自分が汚している」「自分はできていない」と、
ちょっとだけ思っているんだなと感じたので。

 
お昼ご飯はレトルトカレー。お三時は冷蔵庫から救出したバナナとキウイを添えたコンビニシュークリーム。どう見てもご臨終のように傷んでいるバナナとキウイを「あ、ソレ今日食べます!」と言った私を、ケアマネさんが目を丸くして見ておられました(ような気がしました)。

母とふたりで昼食をとったあと、母にあらためて伝えました。
「あのね、母さん。
私もヘルパーさんも、冷蔵庫を片づけるのを全くイヤそうにしていないでしょ?
本当にイヤじゃないんですよ。
片付けは得意だし、嫌いじゃないからお仕事にできるの。
母さんはお片付けは苦手で嫌いだけど
ほかにニュースを見るとか本を読むとか、得意なことや好きなことあるでしょ?
得意なことをたくさんして、イヤなことや苦手なことは、
どんどん人に任せていいんです。全く悪いことじゃなくて、後ろめたくもなくて
母さんは、自分の才能を生かしてください。
それで楽しく生きることに専念してください」
「うん、わかったよ」と返事はしてくれましたが、伝わったかな。本心なんだが。

これが小さなこどもなら、嫌いなこともしなくちゃねと言うかもしれないけれど
母さんは90歳。いいんです!!!

……って、もっともっともっと重ね塗りしないとだめかな。


ヘルパーさんに入ってもらうことを民生委員さんに伝えたら
「ホントに!? ホントに!? ホントに!!!!!」
と、それは喜んでくれました。
私の負担が大きいことが気になって、
ヘルパーさんを頼んでみたらと
提案しようかするまいか、悩んでいたのだそうです。
いや、もうなんかいろいろありがたすぎちゃって。
ありがたいです。