認知症母の遠距離介護記録

91歳独居の母は要介護1。認知症で高齢者のADHD、片耳ろうからの両難聴。眼底出血による視野狭窄と視力低下。そして腰椎圧迫骨折!! 東京~九州で、遠距離介護しています。執筆者は1965生の娘。いろいろあるけど、まあいい!

介護者のパーソナルスペース

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介護帰省の期間中、
家事をしていない時間と食事の時間以外は、ほとんど自室で過ごします。就寝時も自室。
実家にいるときにパーソナルスペースがあることで、
帰省が精神的にはかなり軽くなりました。
気負いが少なくなったのだと思います。
そういう小さなことが、最初はおざなりになっていました。


帰省介護をし始めた当初の2泊3日の帰省では
仕事はできるだけその前後に充て、週末をしっかりあけるようにして、
実家にいる時間は、全神経&アンテナを、ぐいっと母と家に傾けて、
できるだけ100%、母と実家に向き合うように努めていました。

しかし、私の仕事は人様都合で動くことも多く、結果実家でも仕事…。
食卓でノートPCに向き合う…ということも少なからずあり、
「私がほかのことをしているのを、母は快く思わないだろう」と気になり、
視界の端で母の様子を確認してしまいます。


自分がHSP、母が非HSP(しかもADHD)だという影響も強いように思います。
自分の悪いクセですが、
外の世界と自分、母(家族)と自分、両者のバランスが取りにくいのです。
属するカテゴリーが異なる人が、自分を含めて3人になると
すごくやりづらいところがあります。
…2ポイントでピント合わせるとか無理でしょ、みたいな。
そういう状況でもごく普通に、自然なやりとりをされる方を拝見すると、
非常に尊敬します。慣れの問題もあるのかしら…。


たとえば、私は母が目の前にいるのに、スマホをいじるなんて
できないというか、あまりしたくありません。落ち着かないし。
兄の場合はその点、母がいてもふつうにスマホをいじり、好きな本を読み、電話をし、好きに過ごしています。
顔色なんて全く気にしない。超マイペース。少しうらやましいほどです。


些細なことですが、
自室をつくったことでこうしたストレスが格段に少なくなりました。
片付けていた座敷(かつての開かずの間)を、母が全く使わないことに気づいたので
私の仕事部屋として使わせてもらうことにしました。
部屋がとれない場合は、パテーションでパーソナルスペース作るのでもラクじゃないかと思います。

9/18発売のこちら、美しい…。コロナ禍の仕事スペース確保用です。
Panasonic パテーション付きデスク「KOMORU(コモル)」

sumai.panasonic.jp


2015年秋から始まった介護帰省。
2017年の10月に、母の部屋にベッドを導入するまで
母の部屋で布団を並べて就寝していました。
しかし、母用ベッドを導入してからは、
夜トイレに起きた母から、顔を踏まれるようになってしまいました。
母も十分危ないですが、
顔をムギューッとやられる側の私も相当ヤバかったので
以降は自室で眠るようにしたら、いっそうの平和が訪れました。
ひとりで眠る。それは天国。


やれと言われれば、人のそばで過ごすことはできます。仕事と思えば、義務なら平気です。
けれど、近くにいる人の顔色を見てしまい、自分の主張は抑えがちになり、
ゆっくり自分がむしばまれていく感じがあります。
イヤならイヤと言えばいいのに、言えない(というか、イヤとわからない)ばかりに、
さまざまな不幸はここから始まることが多いということに
50歳になってようやく気がついてきたわけです。
あ、そうか。本来の自分はパーソナルスペースをものすごく重視するタイプだったんだ!


すごいな。年を重ねると、見知らぬ自分に会えます。
思い込んでいた以外の、本当の自分。
出会えるとどんどんラクになります。


余談ですが、東京の自宅でも、夫婦は互いに自室があり、
眠るときはそれぞれの部屋で休みます。これが天国。
あ、私、我慢してたのかと、離れて初めて気づきました(当然、夫にも相当我慢させていたと思いますが!)。