認知症母の遠距離介護記録

91歳独居の母は要介護1。認知症で高齢者のADHD、片耳ろうからの両難聴。眼底出血による視野狭窄と視力低下。そして腰椎圧迫骨折!! 東京~九州で、遠距離介護しています。執筆者は1965生の娘。いろいろあるけど、まあいい!

母宛重要書類の転送依頼を実家市へ

10月1日から使用開始の後期高齢者国民健康保険の保険証。
ちゃんと母の手元にあるかな、大丈夫かなと実家で確認したら、
案の定、ありませんでした。

捜索して、保険証がはまっていた台紙は見つかりましたが
ブツは剥がされた後で、どこを探してもありません。
これに気がついたのが帰京直前だったこと、
母にとって市役所は庭のような勝手知ったる場所であることから、
「できるだけ早く、市役所で再発行してもらってください」
とだけ母に伝えて、実家をあとにしました。

しかし、まさか、その帰京日に出頭するとは。
さらにこんなに母がいろいろできなくなっているとは。
ぎゃふん。

帰京した木曜日。羽田空港から「ついたコール」を
Alexaで呼びかけると、
プンスカ怒る💢母が現れました。

「市役所に保険証の再発行をお願いしに行ったけど
そんなことはしなくてもいいといわれて帰ってきた。
やっぱり保険証はいらないのよ!」
と、まるで鬼の首を取ったよう。

そんなわけないやん!

真偽を確認するべく、
自宅に着いてから、実家地元の市役所の担当窓口に電話しました。
「ホントへんなことを電話してすみません。
認知症が進んでいて、遠距離介護をしている母が、
10月1日から有効の後期高齢者国民健康保険証を紛失してしまい
さきほどそちらへ再発行の手続きに伺いました。そこで
『窓口で“保険証はいらない”と言われた』と言って帰ってきたのですが…」

こんなキテレツな相談にもかかわらず、
状況を理解してださいまして、
「一般的な状況下では
保険証がいらないということはまずありません」

……ですよね_| ̄|○

 

その電話で、保険証の再発行の手続きを始めたのですが
思いきって相談してみました。
「自宅に届いた大切なものを紛失するのは
これが初めてではありません。
というか日常茶飯にやって、そちらにもご迷惑をおかけしています。

今回も自宅に届いたらすぐまた紛失するのは目に見えています。
そこで今後は、娘である私のもとに、
保険証などの大切な書類を転送していただくことはできませんか?」
「できますよ。申請書を提出すれば、
今後は娘さんのところに送付することは可能です」

えええーっ、そうなんですか!?
ワクチン接種票も、「転送できない」と断られたのに!?
なんとありがたいことでしょう!! 
ということで、保険証の再発行の書類と、書類の転送届を、
東京の私のもとへ、一度に送っていただけることになりました。
伺ってみるもんやな。


電話対応の方が
「気になるので、もう少しだけ状況を調べてみます」
母とのやりとり履歴を遡ってくださったところ、
保険証は、最初の送付時点で郵便局から市役所に戻ってきてしまい、
その後10月26日に市役所窓口で、
出頭した本人に直接手渡ししたのだそうです。
今日、母に対応した市役所の担当の方は
その履歴をチェックして、母がもう一度受け取りにきたと勘違いされ、
「もうお宅にあるから、ここで受け取らなくても大丈夫ですよ」
と言った可能性があり、
母にはそれが理解できなかったことが考えられるそうです。


よどみなく話す母が窓口に行き、シャキシャキものを尋ねたら
まさか認知症を患っているとは思わずに
ふつうに対応されることでしょう。
しかし、残念ながら母は、いただいた回答を理解することがほぼできません。


「市役所の方に、大事な書類は私に送っていただくようにしましたからね。
保険証は私が今度持って帰ります」と母に伝えました。
激しく抵抗するかと思ったのですが
「ああそう」と、落ち着いていたのが意外でした。


ようやく母の表情に落ち着きが。

 

あれもこれもそれも、わからないことだらけ。
でもわからないとは言えない。
母からするとこの世界は、謎に満ちているに違いありません。
そう思うと気の毒になります。
本当は、私が思うよりもっともっともっともっと、
わからないし、謎だらけなんだろうな。