認知症母の遠距離介護記録

91歳独居の母は要介護1。認知症で高齢者のADHD、片耳ろうからの両難聴。眼底出血による視野狭窄と視力低下。そして腰椎圧迫骨折!! 東京~九州で、遠距離介護しています。執筆者は1965生の娘。いろいろあるけど、まあいい!

期日前投票で叱られるの巻

朝一番に、母に付き添って、市役所で行われている期日前投票へ。
候補者が多い市議会議員選挙。母、うまくできるかな…。

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コロナ禍で、密を避けるために期日前投票をと呼びかけている割には
「なぜ期日前投票なのか」という選択回答の中にその回答はありませんでした。へんなの。

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いざ投票する方の氏名を書くときに、
母が「えーと…???」となっているのを見て、後ろから
「母さん、入れたい人の名前は手帖にはさんでいますよ」と小声で話しかけたら、
係員さんが飛んで来て、「しゃべってはいけませんっ!」と注意を受けました。
※母は、忘れないように、手帖に投票したい人の名を挟んでいました。それを、忘れてしまう母。フォローしようとする私。投票干渉罪疑惑(たぶん)
きっと、母が健常高齢者に見えて(たしかに体はすごく健康そうに見えます。外ではとくに張りきるし)、
私が不正に誘導する人に見えたのかもしれません(これも見えるかもw)。


投票時に「第三者の不正な誘導を防ぐ」のは大切なことです。
ただ、高齢者が多いまちで、ちょっとしたサポートがあれば、
スムーズに、自分の意志で投票できる人も多いはず。
今後投票システムをさらに改善しなければならないこともありそうだと感じました。
…というか、私は後期高齢者になってもちゃんと投票したいな。


帰宅して午後。
母がかかってきた電話をうまく取って話しているので、にんまりしていたら、
会話の内容が不可解。不審に思っていると、
電話を終えた母が私の仕事場にやってきました。
「議員の××さんのポスターを家の前に貼らせてと言われたから、いいですよと言ったの」
「はぁぁぁぁ!?」

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聞けば、誰かもよくわからない、おぼろげながら名字を言っています。
政党もわからない。用途目的も不明で、
「断ったらこのまちに住めなくなる」と言います。物騒な。
「そんなことを簡単に了承してはいけませんよ、母さん」と言うと、
「じゃあ貼りに来たときにフクが言ってよ」(母はまさか私は即実行するとは思っていなかったようでした)
「お越しになってからでは先方にご迷惑なので、今私が電話して断ります」
「そんなことしないで! ここに住めなくなる。住むのは私なのよ、勝手なコトしないで。フクに話したのが間違いだった、もう忘れて!!」
押し問答の末に、私が着信番号に電話したところ、議員さん事務所につながりました。

「さきほど電話をいただいた△△と申しますが、
電話を受けた母が、内容をよく理解できていないので
代わりに娘が電話しております。
そちら様のポスターを家の前に貼るとご依頼があったとのこと、
こちらの間違いでしょうか? 
そのようでしたら申し訳ないのですがお断りしたいのです」
「ですよね~! お手紙を出している全てのお宅に電話してお願いしていますが
ふつうは断られるので、ご了承いただいたのでヘンだなと思っていました」
と、明るい女性の声でした。
えええええ?
「あの、母はちゃんと理解できておらず、
断るとこのまちに住めなくなるとか言っておりまして」
母の紡ぎ出したストーリーをお伝えしたところ
「誤解させて申し訳ありませんでした」と恐縮しておられました。
しかし、したたかなもので「市議会選挙のほうは手前どもの党の■■をぜひ…」
とおっしゃったので、
「すみません。期日前投票をすでに終えております」とお伝えしました。
やはり明るく極めて感じよく「ですよねぇ」と女性。
…おぬし、デキるな。


ちなみに、この一件で母は物投げる寸前まで昂ぶり、
私の電話中もプンスカ怒っておりましたが
電話を切った後に「母さん、やっぱり間違いですって」と伝えると
ケロッと「あっ、そう」でした。
母、恐るべし。後腐れないのは最高だな。酉年ばんざい(フクは巳年)。
とにかく解決してよかったです。


全員に電話なんてやめてほしい。
しかも名簿の名前は、30年前に亡くなった父でした。
極めつけ、実家に道路に面した壁はなく、生け垣なのに、何考えとんねん。
まあいい。

気を取り直して。

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期日前投票の後に、地元デパートの催事をのぞきました。母が焦がれていた、全国うまいもの弁当大会です。本当は東北の海鮮弁当を狙って行ったのに、折尾のかしわめしを見つけた瞬間に「これがいい!」。幼い頃の思い出のあるものには敵わないみたいで。私にとっても思い出深い折尾のかしわめし。久し振りにいただいておいしかったです。

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