高齢の親と遠距離で暮らしている子の多くは
一度くらい親を呼び寄せることを考えたことがあるのではないでしょうか。
呼び寄せて、それなりに成功した方もいらっしゃることでしょう。
親子の状況、性格に加えて、土地の環境やまちの雰囲気など、いろいろな条件がありますから、
一概に言えることではありません。
しかし母の知り合いの“子の住むまちへの移住者”は、
同居失敗で地元に出戻ったり、ホームシックから体調を崩したり、
転居してすぐ亡くなったり、同居のつもりが施設入居となったりと、
描いた青写真通りにはいかないことも少なくありません。
身近に失敗談を見聞きした母にとっては、移住は印象が悪いよう。
「ここを離れて都会へなんて絶対行かない」という気持ちを強くしています。
まあしょうがありません。
母にとっては「このまちには仲良しがたくさんいる」というのも
動きたくない大きな理由のようです。
なかでも同年代のお友達は貴重な存在。
私が実家に帰省している間にも
「ちゃんと生きてる?」なんて、母のお友達がお電話をくださったり、
安否確認がてらにミカンを持ってきてくださったり、
ご近所さん以外にも気にしてくださる方がいろいろ。ありがたいことです。
母は母で、お友達の所へ、お元気なお顔を確認しに行くなどしています。
ひとりで母が長年ここに暮らし、このまちで築いた絆は尊い。
この場所を離れたくないという気持ちは、
できる限り尊重したいと思っています。
それに比べると、私の土地への執着はほぼないんだよなぁ。
義母は「東京!? 行く、行く~!」と喜んでくれましたっけ。そうはなりませんでしたけど(過去記事です)。