認知症母の遠距離介護記録

91歳独居の母は要介護1。認知症で高齢者のADHD、片耳ろうからの両難聴。眼底出血による視野狭窄と視力低下。そして腰椎圧迫骨折!! 東京~九州で、遠距離介護しています。執筆者は1965生の娘。いろいろあるけど、まあいい!

どうしたらやさしくなれるかな。高齢親を“大きな子ども” と捉え直してみた

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ぶっ殺されるかもしれませんが、
これ、夫とうまくつきあうために購入しました。
子育てのためじゃなくて。
20年近く前のことです。
※もちろん本人には絶対内緒です。


『子どもが育つ魔法の言葉』
ドロシー・ロー・ノルト/レイチャル・ハリス著 石井千春訳
Kindleもあります。

なかなかよい結果に結びついたと思います。
実は、仕事でも、後輩たちとつきあっていくとき
これを読み返して自分の立ち位置を再確認することが多かったです。

今また、ふんわり認知障害が始まった母にも
このノウハウで対処しています。
すると
ほんの少し母にやさしくなった気がしました。


正しいかどうかはわかりません。でも
私がプンスカ、イライラする頻度が下がり(デモ、まだすごくあります)、
以前よりもうまくいっていると感じるのは、
母を大きな娘と捉え直すことで、
目の前の母を、自分の中の「お母さん」のイメージと、いったん切り離すことができたからだと思います。


もちろん「お母さん」ですし、「お母さん」と呼びますし、「お母さん」であることに変わりはありません。
ですが、私のなかの気持ちを変えることはできました。
普段は、子どもだと思って、体の大きな娘だと思って接しています。


わからないことをたくさん言うし、覚えられないし、
笑顔で「わかった」と言ったことはまったくわかっていないし、
気に入らないとギャン泣きしたり、ときには暴れることもあるし、
できないことはどんどん増えていくし。
逆に、こちらのことを思うことはどんどん少なくなるし…。


体の大きな娘と捉えることで
私自身の母への潜在的な甘えが、ずいぶん解消できたように思います。
 「なんでできないの?」
 「なんでこんなわからないことを言うんだろう?」
 「どうして私を苦しめることをするんだろう?」
 「人間性を疑う…」
湧きだすたくさんのネガティブな感情は、私の場合は、
核の部分にある私自身の子どもの部分、インナーチャイルドが大暴れするせいであることが多かったです。
「甘えたかったのに甘えられなかった」(ざっくり言うと甘え足りなかった。親との関係性不全のため、慢性甘え不足!なのかもしれませんが)が大きかったかもしれません。


どんなに甘えたくても、私が甘えたいように甘えさせてくれる人はいない。
もしくは私は甘えたかったのに、私を甘えさせなかったくせに
自分だけこっちに甘えやがって。
しかも可愛く甘えるわけじゃなくて、憎らしく依存してきやがって。
いなくなればいいのに。
…黒いな。こんなところかな。


「相手は変えられない。変えられるのは自分だけ」だとよく聞きます。
本当にその通り。
そして、できないことを相手に求めてもしょうがない。
悲劇しか生みませんから。
できないことはしゃあない。
これを自分のニューノーマルにすれば、
少なくとも気持ちのつらさは少し軽減されます。されるかもしれません。
あきらめじょうず、上等。
よそと比べないことも、子どもに接するのと似ているように思います。
全ての人間関係においていえるんでしょうけど。

ありがたいことに、まだ、生きて触れあうことができます。
もしかすると、1週間に一度とか、1カ月に一度とか、
わずかながらごほうびみたいに、
昔の母さんのタッチに出会えることがあるかもしれません。
ラッキーなことです。
あくまで幸運なことなのです。そしたら
そのかけがえのない瞬間、懐かしさに胸を震わせ、うれしさに泣けばいい。

子どもが親を育ててくれるのと一緒で
高齢親の介護を通じて、こちらもたくさん学ばせてもらうのでしょうね。