物心つくのと同時に「スイミンブソク」の言葉に
毎日さらされていました。
「スイミンブソク」、それは母をフキゲンにするとても悪いもの。
昔から母は寝不足に極端に弱く、夜ごと子どもに訴えていました。
毎夜9時を過ぎるとだんだん機嫌が悪くなり、
10時になると眉間にカッとシワが入って、
夜ごとフキゲンマックス。
田舎で祖母に育てられた母は、お日様とともに起きて眠る生活が普通。
なのに
サラリーマンだった父の帰宅は毎晩早くても23時。下手をすると午前様。
都会の暮らしの宵っ張りはずっと苦痛だったのかもしれません。
休みの日に、幼い私が朝早く目覚めて活動しようとすると、
「もっとちゃんと寝とかんね!」
火がついたように叱られました。おそろしかったです。
ちなみに、休みの日は子は11時起床するくらいがもっとも喜ばれました。
母は10時までたっぷり眠り、睡眠不足を解消したかったのでしょう。
ここ数年の母は、目覚ましもなく、体のリズムで起きます。
雨戸の隙間から入る朝日で自然に目覚めるようです。
夏は7時くらいで、冬場のこの時期は8時くらいに起床。
そして夜8時には眠たがります。
昨夜は日課アレクサで夕方6時には「今日はもう寝る」でした。
シャバの私には、なんだか理想的に思います。
今、母は完全自分のペースで生きていて、それは快適そうに見えます。
※高齢による不都合はもちろんありますが、ちょっと置いておいて。
30年くらい前に、母にタラレバで、
「もしも実家に私が一緒に暮らしたらどう?」と聞いたことがありました。
母は「家族といえども、同じ屋根の下に暮らすのはちょっとね。
スープの冷めない距離がいいわ」と即答していました。
それを聞いて安心したものです。
今はきっと違うだろうなぁ。
たぶん、「家政婦さんほしい」と思ってはるやろうなぁ…。