認知症母の遠距離介護記録

91歳独居の母は要介護1。認知症で高齢者のADHD、片耳ろうからの両難聴。眼底出血による視野狭窄と視力低下。そして腰椎圧迫骨折!! 東京~九州で、遠距離介護しています。執筆者は1965生の娘。いろいろあるけど、まあいい!

手作りケーキを差し上げるのは微妙かもなぁ

8月の介護帰省の振り返りです。

母に「コンビニ行ってきます」と伝えて出かけ
途中で、同じ町内に住む、母のお友達の独居高齢女性Aさんのもとに寄りました。
お土産を持ってごきげん伺いってです。
お寂しくないかしらと思い、
2カ月に一度くらい賑やかしでお伺いしています。
Aさんは母より2、3歳上。
もともとは外での活動も多い、お元気高齢者です。


私の顔を見ると
「あらあ、あなたまた帰ってきたの? えらいわねぇ」
といつものように、気品あふれるお声がけをいただきましたが
今回はちょっと元気がないようなのが気になりました。

「とにかく暑さがこたえて出歩く力も気力もなくて。
でも週に何度かデイサービスに行ってお世話になっているから
お風呂なんかは大丈夫なんです。

だけど足が動かないから、お母様にもご無沙汰してしまって。
誘っていただいてもお食事に行く気力が出なくて。
どうぞお母様によろしくおっしゃってね」
※それはそうと、母からはAさんに誘われるからお出かけすると聞いていたのですが
 やはり逆だった模様です。誘っていたのはウチの母だったか!

お持ちしたお土産を
「さほどかたくないので、召し上がっていただきやすいと思うんです。
お口に合うかどうかわかりませんが、どうぞお試しください」
とお渡ししたら喜んでくださいました。

今回お持ちしたのはコレ。「ニューヨークパーフェクトチーズ」。口当たりよく、ほろりとクッキーが崩れるので、高齢者にも召し上がっていただきやすいはずと踏みました…。(画像は下のAmazonサイトより。下は5個入り×4箱です)

私が帰宅するよりも早く
Aさんが母に電話でお礼を伝えてくだったようで、
帰宅するなり母が
「Aさんから電話かかってきたよ。
柔らかくておいしいって、すごく喜んでたわよ。
だから『よく作ってくれるの』って話したの」とうれしそう。

え? 待って。
“よく作る”の?? 私が!? なに!?

キョトンとして、ノリの悪い私に
「え、フクはにんじんケーキ持って行ったんじゃなかったの!?」と、母。

 

母は、前日、私が作ったにんじんケーキを、私がAさんにお持ちしたものと勘違いしていました。それで「よく作ってくれる」発言になった模様でした。


「いいえ。持って行ったのは、母さんもおいしいと食べていた

クッキーでチーズをはさんだお菓子ですよ」と答えると、
今度は母がキョトンとして、大笑い。
「とんちんかんなこと言っちゃったわ。Aさんも変だと思ったろうね!
じゃあ今度来たとき、またケーキを作って

Aさんに少し持って行って頂戴」

お、おう。
…なかなかチャレンジャーですね、母さん。


【歓迎されない手作り品!?】
当たり前ですが、母は「最近では手作りの品が嫌がられることもある」ということをみじんも想像できないと思います。私の子どもの頃は、ご近所から手作りのおかずやお菓子をいただいたり、差し上げたりは日常茶飯でした。それが2000年に入ってぐらいから、世の空気感が少しずつ変わってきました。いただく・差し上げる習慣が減ったこともあるのかもしれません。
私の周囲にも「他人から、手作りのクッキーやマドレーヌをもらうことには抵抗がある」「できれば食べたくない」という人が増えました。初めてそれを聞いたときには新鮮な驚きでした。家族や見知った仲の人が作って自分が食べるのはOK。でも「結婚式の手作りサンクススイーツとかは無理」。
理由を聞くと、「衛生面は、本当に大丈夫なのかな。できれば自分はよく知らない人が作ったものは食べたくないです」。言われてみるとその通りだし、「そこをフィーチャーすると、私もいろいろ気持ち悪くなるかも」とも思いました。

時代はどんどん変わるもの。人様に、不用意に自分の手作りのものを押しつけないように気をつけようと、そのとき思いました。食べ物に限らず、布マスクなどの手作りの衛生用品も同様でしょう。なかにはイヤだと思う人もいらっしゃる。
自分の情報もアップデートしなきゃなと思います。おにぎりひとつも大変なんですね…(汗

tokubai.co.jp