認知症母の遠距離介護記録

91歳独居の母は要介護1。認知症で高齢者のADHD、片耳ろうからの両難聴。眼底出血による視野狭窄と視力低下。そして腰椎圧迫骨折!! 東京~九州で、遠距離介護しています。執筆者は1965生の娘。いろいろあるけど、まあいい!

「もしもがんじゃなかったら!?」初期がん あるある妄想

「㊗転移なく、手術できるぞ、ヤッホー!!✨」からひと晩。
落ち着いて、そのラッキーに慣れると、
今度は違う思いがひょっこり顔を出しまして。たらればの極致です。
「もし、がんじゃなかったら?」
「手術しぞんでは?」
ヒトは心配する生き物なのだ。HSPだし。


昨晩、なにげに言った夫のひと言が引き金になりました。
「がんじゃない、ってことはないのかなぁ」
そう。再検査まで戻ると、
たしかに、細胞診で、がん細胞は採れませんでした。
でもいびつな細胞はちょっとあった。
ただ、腫瘍が直径1.5センチと非常に小さく、
ギリギリCTに映る大きさらしい。
この小ささのため、細胞診でがん細胞が採れないことが容易に考えられると。
採取できなくても、先生方の経験則では、CT画像診断は、
「これはがんだと思われる」。確率にすると7,8割らしいです。
まあ、私が見てもいちばん最初のCT画像はちょっと“悪い顔”だと感じました。
なにより、すでに肺にはPETの集積(がんなどの炎症部分が光る)が著しかった。
がんの診断を強く下支えします。

担当医(大きい先生)は、
「夫さんの時代になればきっと平均年齢は90歳でしょう。
この先40年生きることを考えると
この先ずっとビクビクして生きるよりも
ここで勝負するのがおすすめです」
そこで私たち夫婦は、一も二もなく
「ぜひお願いします」と即答していました。
でも、落ち着いてよくよく考えると、
受診先は、切ってなんぼの呼吸器外科ですやん。

手術数の実績伸ばすのも仕事やで。うがった見方してすみません。
いえ、こちらに余裕が出てきたからこそ表出した
恵まれた疑問だということはわかっているのです。

いろいろ思い出しました。
10年近く前、夫が虫垂炎で救急入院したことがありました。
そのときは“すぐ手術”の流れになったので、おずおずと
「あのー、もしも、腹膜炎を起こしていて“手術がマスト”でないのなら、
手術したくないんですけど」
と医師に申し出て、薬で散らしてもらったことがあります。
夫のだいじだいじ盲腸を切除したくなかったのです(私が)。

そのとき医師には
「手術しない選択肢はなくはないが、手術のほうが確実だ。
薬で、短い時間でちゃんと散らせるかどうかは未知数だし、
再発の可能性だってある」と言われました。
「手術の入退院の期間はどのくらいですか?」と尋ねると
「1週間から10日です」とおっしゃるので
「じゃあその期間になくせればいったん問題ないってことでどうでしょう。
そこを目指します😏」

と言って、盲腸は温存。薬で対応していただきました。
1週間後、医師がニヤリと笑って
「この賭け、奥さんの勝ちですね」。
もとより、負けるつもりは皆無でしたが、それでもやはりうれしい。
夫の虫垂炎は以降一度も再発していません。
きっとこれからもしないでしょう。
からだって本当に不思議です。あのとき切除しなくてよかった。

 

それから亡父の肺がんでは開胸手術がムダになりました。
開けたら処置なしでそのまま閉じ、開胸のダメージだけが残ったのです。
亡父はもちろん、家族も非常に手術を後悔したことも思い出しました。

大きい先生は
「今は技術が大きく進歩していて
術前の診断と術後の診断と、同じことも多いんです」
とおっしゃっていました。


もう一度夫に、
「本当に手術でいいのかな。
切ってみたらがんじゃないってこともあるかもよ?」
と聞きました。
「温存してがん化するのはいやだから
今のうちに手術するほうがいい」

……ですよねぇ。
一周まわってようやく落ち着きました(私が!)。

診断がよければよいで、
時間があるのをいいことに、
いらんことを妄想してしまうものだ、って話です。
自分の特性なのか、ヒトの習性でもあるのかw。
まあいい。