認知症母の遠距離介護記録

91歳独居の母は要介護1。認知症で高齢者のADHD、片耳ろうからの両難聴。眼底出血による視野狭窄と視力低下。そして腰椎圧迫骨折!! 東京~九州で、遠距離介護しています。執筆者は1965生の娘。いろいろあるけど、まあいい!

嘘から出たまこと作戦_きょうだい対応

「今日もありがとう」と言うのが可愛いので「可愛い可愛い、写真撮るからもっとやってください」と言ったらめっちゃ盛ってきた母です。こういう「可愛い」は、もちろんきょうだいとは共有できません。…当たり前ですねw。

野暮用できょうだいから連絡があり、ビデオ通話をしました。
こちらからはまず
「おかげさまでセコムの高齢者見守りが、
6月帰省時に施工、実施に入ります、ありがとう」
「きょうだいが地震のときに玄関のあおり止めをはずしてくれたおかげで
介護関係者は皆助かっています、ありがとう」
を伝えました。

【過去記事です。先般の地震の折にきょうだいがキレ散らかして、あおり止めを外すに至りました】

子犬みたいに仲良しきょうだいなら
あるがままでいいと思う。フキゲンをぶつけてもいい。
そうでないならば、
緊張感のある関係なりの接し方は重要だと思っています。
「家族」だけに作戦が問われますw。

私の場合は、ファーストインパクトで
とにかくこちらから褒めたり、感謝を伝えたりしています。
探してでも褒める!
すると相手がふわんとゆるみます。すると話が早いです。
なんとなくこちらもラクになるので、
会話の緊張感が軽減されます。
偽善だって何だって、結構!! 練習あるのみ。
私は人づきあいが得意ではないので、ほぼ作戦と練習とでこなしております。ほほほ。
名付けて、嘘から出たまこと作戦。

ゆるんだきょうだいに、
「母さんがデイサービスデビューして、みなさんのおかげで、
思いのほかうまくやれている」と伝えると喜んでくれました。

一方、「水栓の閉め忘れの対策を考えたい」と伝えると、ピキッと音がしました
「その現状、そもそも独り暮らしはできないと考えて、
もう【収監】したほうがいいのでは」と迫りくるきょうだい。

 

ここで禁忌は「でも」「だけど」。
使いたいときにはつとめて使わないことです。
ほとんど、「うん」「そうだね」で代用できますから。
「でも」とくると「こいつが今おれのことを否定した。的確に拒否した」と、光の速度で、必要以上に、伝わりますから。思っているときほど使っちゃダメなんです。

「そうですね。いつか高齢者施設にお世話になるかもしれないし、
私はそれを否定するものではありません。
その時は、“首に縄をつけて”じゃなくて
『母さんが選んで自分で移動する』くらいの奇跡を狙いたい。
多分、これから先に訪れるピンチがチャンスになると思うので」
と話しました。
「私が生きて取り組んでいるうちは、できれば穏便にコトを進めたい。
私が死んだら、きょうだいががんばる必要はないので
安心して、強制でも何でも好きにやってくださいな❤」

まあ、ごきげんさんに通話終了できたかと思います(たぶん)。努力は大事。

この先何が起きるかわからない。
まさかの私が最初に離脱する(死ぬ)ことだってあるし、
夫が離脱して、私は実家で母のお世話に専念するかもしれないし、
何かの間違いで母がぎゅいーんと笑気、違、
商機、違、正気を取り戻し、
大好きなきょうだいの家に転がり込んで同居が始まるかもしれないし、
何があるかはわからない。だから人生は面白い。
語弊を恐れずにいえば、困ることならなおのこと、楽しまないともったいない、とは思って過ごしています。
いや、困りたくないけども。それでも起きたからには人生を、いのちを、味わいつくさないと。

「母を残しては死ねない」とは私は1ミリも思っていなくて、誰がいなくても母は、順当にまっとうに完璧に幸せにいのちを全うするので問題ないと思っています。運がいいから大丈夫。私自身がどんな他人にも執着しないことも大事。そんな世界線で生きています。

 

そのきょうだい。
肺がん疑いについては、
「レントゲンのふんわり経過観察でいいでしょう」ということになりました。
なにより、リウマチ性の声帯麻痺について、
なんと「完治」のお墨付きをいただいて喜んでいます。
思いがけないことが起きるもんです。よかったよかった。