認知症母の遠距離介護記録

91歳独居の母は要介護1。認知症で高齢者のADHD、片耳ろうからの両難聴。眼底出血による視野狭窄と視力低下。そして腰椎圧迫骨折!! 東京~九州で、遠距離介護しています。執筆者は1965生の娘。いろいろあるけど、まあいい!

認知症母の“できなくなっているぶり”が進んでいた

普段のルーティンからはずれてしまったことは
たちまちできなくなっていくことを痛感しました。
それでもどっこい頑張っている、91歳母の脳!

土曜日はきょうだいの誕生日当日。
朝の服薬支援を終えたあとで、
母にそれを伝えていなかったことに気づきました。
母は、本来は「おめでとう❤」を言いたくてたまらない人だし、
きょうだいも言って欲しくてたまらないタイプ。
というわけで、Alexa呼びかけ、リターンズ。

「母さん、伝えるのを忘れていました。今日はきょうだいの誕生日です」
「あらそうなの」
「この間一緒にたくさんお祝いしましたけど、
当日だし、おめでとうの電話をしましょうかね」
「うん、でも、電話番号がわからない」
想定内なので電話番号を私が読み上げて
母がメモして、それを見てかけることにしました。


デジタル日めくりカレンダーを電話と勘違いする母…。

 

「電話はどこにあるの?」え…???
「カレンダーの下にありますよ」そこに時々使っている子機がありました。
しかし、母が手に取り、「これなの?」と尋ねてきたのは
デジタル日めくりカレンダーでした。
もはや電話機を忘れてしまった模様です。
【きょうだいに電話をかける】…想像よりも難易度が高いかも…!?

子機はあきらめ、親機ならばかけやすかろうと思い
「母さん、リビングのいつもの電話でかけましょう」

と言ったら、「どこにあるの?」wow! 電話のある場所も忘却の彼方。
「ソファのあるリビングですよ」 
「どこ? 向こうのベッドのところ?」ouch! リビングの存在が消えている!
去年の夏までリビング星人だった母ですが、介護ベッドを導入して1階に母の寝室をしつらえてからは、リビングを使用することはなくなっていました。同時に、母の記憶から失われつつある空間。
さまざまなことがわりとあっという間に進んでいくことに驚いています。

それでもなんとか、リビングのAlexaで
親機で電話をかけるところまでは誘導できました。
しかし今度は母、「ダイヤルボタンが見えない」
どこのボタンを押せばいいかがわからぬ模様です。ダイヤルではないところをたびたび押してしまい、電話からの異音がAlexa越しに響きます。
やっぱりメガネがないとダメということになり、母はメガネを探す放浪の旅に出ましたが、探していることを忘れて、何度も戻ってきてはまた電話をかけようとし、「ダメだメガネ探さなきゃ」を5回以上繰り返し、20分してようやくメガネを発見して登場。無事にダイヤルボタンをプッシュできました。

つながったものの、きょうだいの電話は留守電。
でも母は留守電が理解できず、留守電の音声アナウンスに
「きょうだいに電話をかけたい」「きょうだい」「◎◎(母の名前)」
を繰り返し、不憫💧
うまくメッセージが入れられたかどうかも不明ですが
これ以上何かしてあげられることもなく、きょうだいへの電話を終えました。
とりあえず「お電話できてよかったですね。きっときょうだい大喜びですよ」
と盛大に讃えて!


あまりの難作業にふてくされる母、その最高な顔に爆笑する娘。その仏頂面は可愛すぎるやろ。

その後きょうだいに、「母さんが留守電入れたけど
入っていない可能性があるから電話してあげて」
とメールしたら、対応してくれて
「2回目にかけたら、母さんはなんとか電話をとってくれた。
でもこちらには留守電はなにも入っていなかった。
母さんはどこにかけたのかしらね」
と言われました。はて??? どこにかけたのでしょうか。

まあいい。

思いがけず母のできなさぶりに直面することとなり
たじろいでしまいましたが、現状を認識できたのはよきことです。
…まあいい。

それでもいつものように、昼食のお弁当をワクワクで取りに行く母。できないことがあってもええじゃないか。