認知症母の遠距離介護記録

91歳独居の母は要介護1。認知症で高齢者のADHD、片耳ろうからの両難聴。眼底出血による視野狭窄と視力低下。そして腰椎圧迫骨折!! 東京~九州で、遠距離介護しています。執筆者は1965生の娘。いろいろあるけど、まあいい!

実家の神祀り

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母が大好きな氏神様。右は樹齢300年以上といわれるご神木のクスノキ

7月1日の母との日課電話。
お友達が、氏神さんへの参拝に誘ってくださって
一緒に出かけたという母。
お一日参りができてとてもうれしそうでした。


「どなたが誘ってくださったの?」と聞くと
足の調子を悪くされて、母が心配していたAさんでした。
「ええっ、Aさん治ったの!? もうお出かけは無理だと思ったのに」
と言うと、
「うん、行いがよかったから治ったの」だそうで。
とにかくよかったです。


参拝のあと近所でふたりでランチして
またバスで帰ってきたそうです。
といっても、時間によっては2時間に1本しかバスがない、少し不便な場所。
バス停からもちょっと遠いです。
「バス停に着いたら、次のバスまであと40分もあったの。
『あら、あと40分もあるよ』と言ったらAさんが
『あなたと話していたら40分なんてすぐよ』と言ってね、
おしゃべりしていたらホントにすぐだったのよ!」
すごく楽しそうです。少女みたい。

私なら、「えーっ、40分もあるのか。タクシー乗らない?」
とか言ってひんしゅく買いそうだし
多分その時間で母としりとりやるだろうなぁ。
話していたらスグだっただなんて、
なんだかいいなぁ。年を取ってからのマブダチ。


「神社さんはやっぱり気持ちがいいよ。
今度また一緒に行こうね」と母が言うので
うん、行こう、行こうと同意しながら
「ところでお母さん、我が家のお宮さんにも
氏神様にお越しいただいて、お祀りしていますからね」と言うと
「そうよね、うちのお宮さんにもお越しいただいているのよね。
朝晩ちゃんとお参りさせていただいているものね」と
反芻しておいででした。
我が家のお宮のことを思うと、母は少し嬉しくなるようです
神様が大好きなのよね


実家には長らく神棚がありませんでした。
ないけれども、ないなりにというか
食器棚の上の一角に場所を決めて、お供え物をして、
母が朝晩丁寧にお参りをしていました。
自己流ではあるけれど、丁重さが感じられます。
でもちょっと気になって、介護帰省を始めた当初
母のいないときに、イスに上って実際に食器棚の上をあらためてみると、
お盆に載せた古いお札がいく柱か、奥に追いやられてホコリを被っていました。
(お盆に載せたのは、私が20年前に私がやったことかもしれません…)

私が目にした以上はこのままでは神様に申し訳なく
おそらく母の記憶にはもうないはずだし、
古いお札は母に内緒で東京に持ち帰り
お世話になっている神社でお焚きあげをお願いしました。

その後、ふたりで氏神さんに参拝した折りに
新しいお札とお宮を購入し、
もともと神祀りしていた棚の上にしつらえたら、
母がことのほか喜びました。
今も、朝晩大切にお参りしていますが
お宮に氏神様をお祀りしている”ことを思いだすと
とてもうれしくなるようです、母。
気持ちはとてもよくわかります。
心は大事だけど、「形」も大事よね。
ととのえてみて、初めて気づくこともあるよね。


これからも毎日、毎日、母がうれしいことまみれならいいなぁ。