もうすぐ祇園祭の宵山です。7月に入ってからは月鉾の手ぬぐいをかけています。応仁の乱以前から歴史があるって、月鉾、すごい…。※本文と画像は全く関係ありません
情報や知識を含めて、自分を取り巻く環境が
自分のデフォルトになります。
そのフィルターがかかってしまうことをときどき忘れてしまうことがあります。
統一教会のこともそうで、
同年代多数は普通に知っていることだと思っていました。
オウムの起こした無差別テロ、サリン事件以降は
なりを潜めたので、若い世代はご存じないかもしれません。
それでも、2012年に、創設者の文鮮明氏が死去したことは報道で知り、
何か動きがあったりして…と背筋は背筋は伸びたものの
杞憂なままに静かな時が流れ、やがて忘れ…。
「世界平和統一家庭連合」に名前を変えていたことは
今回の事件で初めて知りました。
「世界人類が平和でありますように」の
ピースポールにめくらまししているみたいな名称だこと!
そんな、知っているのがデフォだと疑わなかったのに
大学が同じ(学部学科も同じ)夫に統一教会のことを話すと
ほぼ話題が共有できません。
夫には、統一教会といえば合同結婚式くらいの知識がなく、驚きました。
同じ場所で同じ空気を吸って同じ時を生きていても
見ている景色は違うもんですね。思い込みに気をつけよう。
■80年代 大学時代の統一教会と原理研
「原理を玉砕せよ」的な張り紙は、1980年代の大学構内のあちこちに
貼ってありました。
「原理と統一教会はなにがちがうんですかあ?」
ノンポリな私が聞いても、張り紙を貼った姐さんは親切に教えてくれました。
当時、学内左翼団体には、部落解放同盟と社会主義学生同盟の2つだけありました。
あるといってもどちらも3人以下。
みなさんプライベートでは親切で温かい感じの方々でした。
※ちなみに右翼団体の学内の活動を見かけたことはありません。
姐さんたちの活動の成果もあり、学内で原理研の暗躍を確認したことはありません。
■1984年 大阪・阿部野橋の歩道橋上のアンケート
大学はいなかにあり、バスと電車を乗り継いでまちに出ます。
まち…天王寺の阿部野橋の歩道橋の上では
3回くらい統一教会のアンケートにキャッチされました。
すでに知識を持っていたので、「ああ統一教会だ」と思って注意していました。
アンケートは、当時の統一教会の常套手段で
多くの大学生が狙われました。
3回目くらいのこと。
単なる好奇心で、
「統一教会である」ということをたしかめないといけないと思いました。
そこで、「尊敬する人は」という問いに対して「文鮮明」と書いたら
「先生をご存じなんですか!!」と、相手が食いついてきました。
「やはり統一教会ですね。そもそもこのやり方はよくないし、
あなたも早く目を覚ましたほうがいいです…」とか生意気言って。
歩道橋上で喧嘩したのを覚えています。
■1986年 夜のまちで「おまえは30歳まで生きられない」
実害といえば、
じつは長く呪いにかけられたのでした。
それとは知らず、統一教会に。
アンケートは認識していましたが、
手相見での勧誘は認識できていなかったのです。
1985年、当時つきあい始めた人と、
ミナミだったか堺東だったか、深夜にまちを歩いていて、
路上には手相見の人がいました。
すでに占いには距離を置くようにしていたというのに、
つきあいはじめの甘い高揚感から、
女性の手相見さんにふたりで見てもらうことになりました。
「運命の相手ですね、とか言われちゃったりしてー♡」みたいな。
※ちなみにすでに、なんとなくの手相くらいはわかる状況です、私。自分の手相はちょっとクセが強いのです。
彼はあたりさわりのないことを言われて「あたってるねー」。
次、私の番
「仕事ですごく成功する。知名度もあがるかも。でも大きな問題が…。
早死の相が出ているのですごく気になります。
ちょっと一緒に先生に見てもらいましょう」
と、その手相見の島を仕切ってる年配男性の手相見のもとに
連れて行かれました。
「先生この人なんですが」
「どれどれ。すごく成功する。すばらしい!
でも、あなた30歳まで生きられないと
出ているじゃないの。これはまずいよ」
瞬間、私の中にはマーク・ボランが頭に浮かびました。
T・レックス、「Get It On」最高…♡
「カッコイイ…」←(違
「それを避けるために、
私がお払いするところにつれていってあげるから、大丈夫。
私が言えばお金は安くなるから※3万円だか10万円だか言われたのか、忘れました」
「それには及びません、大丈夫」だってマーク・ボラン…。
「そんなことを言って、
あなた、畳の上じゃ死ねないと手相に出てるよ!
しかもあなた、死ぬ前に後悔しているのが手相に出てんだよ!
お払いすれば阻止できるんだから」
「いらんお世話です。もう結構っ💢」
「そんなことを言って、あんた必ず後悔するよっ💢」
腹が立ったので、彼の分も、
すべての手相見の見料は踏み倒して帰ってきました。
言われたことは衝撃でしたが、
マーク・ボランは畳の上で死んでないからねっ! ←違
蹴散らして帰ってきたのでお金の被害はありません。
ただ「30歳までに死ぬ、畳の上ではない」とおっさんに言われたことは
ボディブローのように地味に二十代の私に悪く働いていたと思います。
結局、すっかりきれいに払いきることはできなかったのです。
29歳のときに卵巣に腫瘍がみつかって、手術しなくてはいけないと言われたときも
「ああ、ホントに30歳までで死んじゃうのね、あたし」。
「卵巣がんの可能性」を指摘されていたからです。
頭の片隅に例の予言がありました。
大丈夫、卵巣がんではなかったし、
57歳現在生きてます。ざまーみろ!! 違
「あれ、もしかして、統一教会だったのでは?」
と気づいたのは40代になってからでした。
※まあ事後は事後で思い出していたわけです。
そういえばやり口がちょっと似ている気がして調べたら、
「手相見でも勧誘を展開している」と出てくるではありませんか。
統一教会だったのか! 私の時間返せ!!
そういえば!
東京来てからも「手相みせてください」で、
新宿で何人か寄ってきたっけな!
わたし、害のなさそうな見た目で、
知らない人に道を尋ねられたりすることが多いタイプです。
今も地味な感じで勧誘は続いているんですねぇ。
■現在_私たち、カルトの勧誘に気をつけましょう
月曜日に行われた「世界平和統一家庭連合」の会見ライブ中継を見ました。
核心に突っ込める記者がおられず残念でしたが、それでも少しはマシかもしれない。
とはいえ、あれとそれが結びついているとか
そんなところまであらわになることは決してないだろうと思っていたら
朝目が覚めたら、十万単位のフォロワーを抱える人たちが
関連のリツイートをしていらっしゃいました。
ずっと公然の秘密だったことが、明るみにあらわれはじめている!?
もしかしてSNSの時代には
思いがけないことが起こることもあるのかもしれません。
これが風の時代なんでしょうか。
ビュンビュン風が吹けばいいなと思います。
気づかないだけで身近なところにカルト勧誘の罠はあります。
思い悩むことがある人はとくにターゲットになりやすいです。
介護やら老後の生活やらで気をもんでいる私たち、気をつけましょう。
何かを拝んでも、お金を積んでも、
それは刹那のめくらまし&気のせいで、
そんなことでしあわせになはならないだろうし、
今難儀だなと思っていることを解決するのは自分です。
それから。
「二世」の存在に気づかないことも結構多いかと思いますが、
私たちの想像以上に、職場に、クラスに、グループに、
身近に宗教関連の「二世」はいらっしゃると考えたほうがいい。
わたしの周りには十代からいたし、
苦しんでいる人も、吹っ切れている人も、積極的に活動している人もいました。
こちらには悪気のない、世間話程度のちょっとした団体批判だって、
その場にいる「二世」のアイデンティティを静かに傷つけることがあります。
非「二世」は言葉に気をつけましょう。
「二世」とくくるのも問題ありますが、ほかに言葉を持ちません。
とにかく、それとこれとは全く別。あなたはあなただから、大丈夫! 問題ない!
想像力は、平和な世界をつくるカギになります。
多様性って大事です。
すべてKindleです。アプリをダウンロードしたらスマホで読めます。
もしもわたしがマーク・ボランを知らなかったら、カルトに走ったんでしょうか。
いや、中原中也がいるから、きっとそれもないなと思いました(やっぱり違。
中原中也って、高円寺に1年間ほど住んでいたことがあります。高円寺ゆかりの文学者でもあるのです。