認知症母の遠距離介護記録

91歳独居の母は要介護1。認知症で高齢者のADHD、片耳ろうからの両難聴。眼底出血による視野狭窄と視力低下。そして腰椎圧迫骨折!! 東京~九州で、遠距離介護しています。執筆者は1965生の娘。いろいろあるけど、まあいい!

高齢母の感情乱高下

夕方、集中して自室で仕事していると
「うわーーーん」と子どものギャン泣きが聞こえて来て、
どこ? TVの音声!? 何事???
と思っていたら、さめざめと泣く母が私の部屋に入ってきました。
「うわーーーーーん」

さめざめと泣きます。悪く言えば演劇的。なにかのアピールですが、なんだろう?

か、母さんか。
わりとよくあるので、結構醒めた感じで
「どうしましたか、母さん。なにが悲しいんですか?」
「いろいろ考えたら、もうせつなくて」
……」

 

本日も、絶叫に近い私の呼びかけが数回。
ご近所から「虐待!?」を疑われるかもの、安定の介護帰省です。
母、娘にガミガミ言われるのがこたえたのか!?
ごめんなさいよ、母さん。私に余裕がないばっかりに。

いつか「あのとき、やさしく言ってあげればよかった」とか
後悔しちゃうのかしらと、ふと頭をよぎります。

……いや、ないな。
まあいい。

 

今日は、母のエビフライの日でした。
材料や道具は私が揃えて置いておくものの、
今回も母がひとりで揚げました。
で、エビフライができると、めっちゃごきげんになっていました、母。
「おいしいですね。さすが母さん!」
と、カメラを向けると、超上機嫌。ダブルピースと来た!

泣いたカラスがもう笑った。泣いてから30分後です。

「お店には負けないわよ。
だって私、エビフライを作ってお店で売っていたんだから」
母が作って売っていたのは、本当は
巻き寿司といなり寿司です。60年前の話です。
母の記憶が華々しく上書きされていきます。


「エビフライ、たいへんおいしゅうございます。
しあわせです」と、讃えまくりました。
気を良くした母、
「フクが帰るまでにもう一回エビフライしようね」
「母さん、今回は、明日の晩ご飯で最後ですよ」
「ええっ、14日に帰るんでしょう!?」をワンセットに
1分ごとに繰り返す夕べでございました。


まあいい。
エビフライはおいしかったし。
月食は胸にしみたし。

写真を見せたら母もとても喜んでいました。お空に真珠がこぼれたみたい。