認知症母の遠距離介護記録

91歳独居の母は要介護1。認知症で高齢者のADHD、片耳ろうからの両難聴。眼底出血による視野狭窄と視力低下。そして腰椎圧迫骨折!! 東京~九州で、遠距離介護しています。執筆者は1965生の娘。いろいろあるけど、まあいい!

実家・散乱した納屋を片付ける

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帰省したときに
実家台所に母の話し相手になっているユリちゃん(55歳)の様子に
違和感を覚えました。よくよく見ると、やはり。
「母さん、ユリちゃんにお化粧したの?」と聞いたら
「うん、おしろいしてあげた」とのこと…。
頬とおでこにうっすらピンクと、なんか全体に白いです。

ちょっぴり色黒なユリちゃん、
2017年冬に、実家納屋から救出しました。
40年近くしまっていたら、お肌が黒ずんでしまいました。

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2017年、救出当時のゆりちゃん。ごめんね。右のワンコぬいぐるみは、ピロ君。

凄まじく荒れていた実家の、最後のよごれ砦が納屋でした。
庭の片隅にあり視界には入っていましたが
母が「すごくきれいに片付けているから大丈夫。なにもしなくていいよ」
という言葉に、うっかり後回しになっていました。
ホントを言うと、だまされていたかったのかもしれません。


というのも、私は人形好きの子どもで、
持っていたものをすべて箱に入れて
ここに閉じ込めてしまっていたのでした。
実家から遠く離れて暮らしていても、後ろめたさがいつもありました。
彼らに操を立て、
せめて自分からは新しい人形やぬいぐるみは買わないように心がけていました。

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扉を開けると、納屋は、壮絶に荒れ果てていました。
[ゴミ]に分類されるものが地層のようになっていて
掘り下げていくと、ゴミの底からは父が亡くなった直後のものが出てきました。
25年前。
もしかすると、そこで母の時計は一度そこで止まったのかもしれません。

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私の荷物はさらにその下。いくつかの箱は大雨の浸水のせいで
泥だらけ&かび&正体の知れないもののフンだらけでした。
「水がここまで来たんだ…」とリアルです。床上40センチくらい。

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そして一緒に過ごした人形たち。ようやく箱を開けてあげられました。
置きっぱなしにしてごめんね。
子どものとき、ずっとそばにいてくれてありがとう。
大人になって離れても、きっと私を気にかけてくれたことでしょう。
あなたたちのことは、死ぬまで忘れないからね。
いや、死んでも忘れないと思う。
涙ポロポロでしたが、自分の手できちんと処分できたことをしあわせに思いました。
私の中にあった後ろめたさがようやく消えました
ありがとう、ありがとう、ありがとう。


写真右のくまさんとパンダちゃんはお別れしました。
左の箱の中の人形たち。派手にガビガビになっているミカちゃんは
最初の写真の右側に写っています。かわいいでしょう♡
そのほかの人たちはきれいにして後日。まんだらけに売りに出しました。
びっくりするくらいの高値だったので
これはまたまとめてご報告します。

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大きなお人形の、ユリちゃんとミカちゃんは、
その日お風呂に入れて
汚れをきれいに落として、お洋服も新調して…。

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これは冬バージョンですけど…。ユリちゃんの服は私のお手製。
左のミカちゃんの衣装は、50年前に母が作ったものです。


現在はふたりとも実家の台所が定位置。
母の、大切な話し相手です。

余談ですが、お人形たちが入っていた小箱は
母お手製のドールハウスでした。世界でひとつ。かわいい。

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納屋の掃除は2日間かかりました。
中からかきだしたものは、
市の清掃局に依頼して、大型ゴミとして引き取っていただきました。

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