認知症母の遠距離介護記録

91歳独居の母は要介護1。認知症で高齢者のADHD、片耳ろうからの両難聴。眼底出血による視野狭窄と視力低下。そして腰椎圧迫骨折!! 東京~九州で、遠距離介護しています。執筆者は1965生の娘。いろいろあるけど、まあいい!

兄妹で介護について語らった

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母、昼ご飯に、兄のためにエビフライを作りました。朝からすごく頑張りました。よい食べっぷりで、兄すばらしい…

 

嵐のような2泊3日で兄が帰阪していきました。
とはいえ昨晩は、きょうだいで、今後にとって有意義な話をすることができました。
兄は63歳・おそらくアスペルガー。妹55歳HSP。


「以前キミが指摘したときには全くわからなかったけど
ようやく(母の認知障害が)わかるようになった。わりとひどいね。
ボクは人のこと言えないし、ボクもひどいけど」と兄。
母の状態を認識できることは大きいです。支援者増が狙えるかもしれません。


なしくずされて諦めるのではなく、
たまには私もちゃんと意思表示すべきだと思っていたので、
良い機会なので伝えてみることにしました。
今まで兄は「苦手だから」と、私の帰省時を狙って実家に帰省していました。
「実家は不潔すぎて潔癖症のボクには無理」というのが兄の言い分でした。それを
「とはいえ、母さんのQOLキープのために、
帰省するならぜひ私のいないときにお願いしたい。
母さんはひとりでいるのが寂しいのです。帰省するなら、私のいないときにぜひ!」
言っちゃった!
なんと、兄も「わかった」と了承してくれました。
もしかすると、なにかが少しずつ変わるかも!? 非常にうれしい。


また、
「帰省ではなく、介護帰省。こちらがお世話をしなければならない相手だと
頭を切り替えてほしいです。
親におもてなししてもらうのではなく、
あくまでこちらが親をお世話をする立場だと思っていただければ」
とも伝えることができました。
これもほぼ納得してくれた模様です。ありがたいよぅ。

 

ややヘンテコなコミュニケーションは、
兄の思考特性を考えてのことです。
心根はやさしいですが、アスペルガーぽさが強く、
興味が全部、自分に戻っていくところがあります。
母のことを話していても、器用に自分の話にすり替えてしまうので
いちいち現実の母の話に引き戻さないといけません。
そのすり替えぶりが見事というか、ちょっと感心しちゃうくらい面白いのです。

 

また、兄は基本がネガティブ思考で、母のことになると
「年をとって僕はあんなふうになりたくない」といったコメントが激増しします。
そこで
「生・老・病・死は皆等しく訪れるもの。身近に老死を学ばせてもらえるのだから
ありがたいと思ってください。いいですか、これは勉強です」と伝えると、
ナルホドと受け入れてくれました。
「大事なことをどんどん忘れるなんて悲しすぎるし最低じゃないか」については
母の年齢で、顕著な認知障害があるにもかかわらず、
現在は排泄と入浴に問題がないことがどんなにありがたいことかを解説。
同様に、多動アクションについても兄は批判的ですから
希死念慮(きしねんりょ)もなく、ポジティブで朗らかな高齢者の介護が、
介護者にとってどれほどラクなことかを解説しました。


状況を別の視点から解説すると、
「ナルホド」と納得してくれる兄の頭の柔らかさは助かります。
兄さん、小生意気な妹で申し訳ないですね。でも言わせていただきました。

 

目下、兄の大きな不安は
「キミが先に死んだら、ボクは(母の介護を)どうしたらいいんだよ」なので
「今考えても正しい答えは出ないので時間の無駄です。私が死んでから考えてください」と伝えて
こまめに現実に引き戻します。
…という作業は、面倒でも、実は私にとっても大きな学びです。


駅まで見送りに行ったときに兄が
「キミには悪いけど、やっぱり息子と娘は、母の愛情が全然違うよね。
息子は特別なんだなぁ…うふふ」

とちょっと(いやかなり)得意げに言うので、
「ええ、その通りですよ。娘は極めてソンだし、分が悪いです」と伝えました。


面倒くさいな。まあいい。
なんといっても兄の帰省を一番喜ぶのは母ですから、
妹はそこの努力、融通を惜しんではいけないと自分を戒めています。


ちなみに短い髪は兄には超不評。
「ボクは弟はいらない」とのたまいました。