介護帰省時の振り返りです。
水曜日にやってくる、母の大好きな移動販売車でお買い物をしているとき。
母からよくない気配を感じたので、気をそらすために
「ほらほら母さん、母さんの好きなみかんがもうありますよ!」
と売られていたみかんを指さしたら、母が食いついてきました。
みかんが大好物なのです。
移動販売のスタッフさんが、
「これはペルーで作った温州みかんです。
現地で日本人の方が丁寧につくっていて、おいしいですよ」
と説明してくれました。
母はニコニコ笑って聞いていますがまったく聞きとることはできません。
ためしに1袋買って帰り、おうちでいただくと
甘いのなんの!
んまっ! みかん星人の母、大満足! ペルーの温州みかん「インカの雫」。みかんが少々苦手な私がいただいても、とても甘いと感じ、濃厚な味わいでした。
母は目を丸くしています。
「これ、すごく甘くておいしいわ。
駅で買ってきたわよね」
「これはさっき、移動販売で買ってきたものですよ」
「ああそうだったわね」
「母さん、そのみかん、南半球のペルーでつくったものを
輸入してきたんですって」
「そうなの? ペルー。そんな遠くから…」
しくしく泣き出してしまいまして。
「そんなに遠くから旅をしてかわいそう」と
号泣しはじめてしまいました。
母はもともと(若い頃から)感激屋さんで、感情ジェットコースターがデフォルトです。最近は振り幅がことに大きい。しょうがありませんわな。感性豊かちゃん。
「でも母さん、みかん、おいしいんでしょう?」
と尋ねると「うん(ひっく)」
「じゃあ、悲しいじゃなくて、みかんさんにありがとうを言わないとね」
「そだねー。みかんさん、ここに来てくれてありがとう」
素直なところは助かります。
そのあとで、きっと母ごのみだろうと思って
移動販売車で買ってきたアイスバーをすすめたら
ごきげんで食べていました。
んまー♥(けろりとごきげん)。ま、食いしん坊なんですね。
翌日、私は朝から帰京。
アレクサがうまくつながらずにパニック起こしそうな私でしたが
夕方母と電話で話したときに
「炎天下を、裏のみかん山にみかんを買いに行ったのにない!!」
と母がプンスカ怒っていて、こちらが引きつけ起こしそうになりました。
ちがう。そうじゃない。
炎天下の徘徊はヤバすぎます。
母の脳内のイメージ(季節は冬)。
「みかんは、移動販売車が持ってきてくれたもので
来週水曜日にはまた持ってきてくれるから
それまで待っててください!!」
いや~、焦りました。
どちらさまもご安全に~。