認知症母の遠距離介護記録

91歳独居の母は要介護1。認知症で高齢者のADHD、片耳ろうからの両難聴。眼底出血による視野狭窄と視力低下。そして腰椎圧迫骨折!! 東京~九州で、遠距離介護しています。執筆者は1965生の娘。いろいろあるけど、まあいい!

帰省していることを忘れられるのもアベレージです

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実家に帰省した折、家事をしていない間は私、
自室にこもり(奥の座敷を使わせてもらっています)、ひたすら仕事をしています。


部屋のドアを締めていると、母が「開けておいて!💢」と言うので
最初は「???」だったのです。
室内の冷房や暖房効率が悪くなるし。


しばらくするとわかってきました。
扉の向こうに私がいる、私が帰省してきていることを、母が忘れちゃうようです。
もちろん、そんなことは私には言いませんが、間違いないと思われます。
母は難聴で気配の物音などはほぼわかりません。
扉さえ開いていれば、洗面所やトイレに行くたびに、視界の隅っこに私が映り、
「ああ、フクがいるな」と認識できます。
早い話が、ドアがしまっていても
ドアに大きく「扉の向こうにフクがいます」と書いてあればいいのです。


先日兄が帰省していた折に、母はいつもの調子で
夕方どこかへ、鉄砲玉のようにでかけてしまいました。
一声かけてくれたらいいのですが
このように気ままにひょいと出かけてしまいます。
この日はお友達を誘って散歩をしていたらしいです。


「ただいま! 歩いてきた!」
息を弾ませて母が玄関の扉を開けて帰ってきたとき、
すでに兄がいることはまったく忘れていることが想定されました。
そのままリビングに行って、男性の存在に母が悲鳴を上げてしまうと、
母にも兄にも気の毒です。
そこで母の耳もとで「リビングに兄さんがいますよ、帰省していますからね」と伝えたら、
しばらくはキョトンとして「フクはいったい、何わかんないこと言ってるの?」状態な母。
私はゼスチャーでリビングを指差し、「に・い・さ・ん!!」と口パク。


怪訝な顔をしてリビングに入っていく母が
ソファに腰掛けている兄を見て一瞬ぎょっと固まりました。…やはり。
私を振り返り「あー、わかった!」みたいなリアクション。


まあ、オオゴトになるのを避けられてよかったです。


自室から、母がいるところに向かって歩くときは
聞こえの悪い母を脅かさないように、
壁を打ったり、手を叩いたり、音を出しながら近づきますが
「わかってるっ!」と露骨にうざがられるときもあれば
それだけやっていても「キャッ!」と悲鳴を上げられることもあります。
まあ、軽く、立つ瀬がありませんw


私はというと、HSPで大きな音が苦手なので
片耳を手で塞ぎながら近づいたり。
それぞれにクセがあり、軽くカオスな実家です。
だから愛おしいともいえるのかもしれませんけど。