認知症母の遠距離介護記録

91歳独居の母は要介護1。認知症で高齢者のADHD、片耳ろうからの両難聴。眼底出血による視野狭窄と視力低下。そして腰椎圧迫骨折!! 東京~九州で、遠距離介護しています。執筆者は1965生の娘。いろいろあるけど、まあいい!

注射断固拒否の多動の高齢母、接種できました!

当初の予定通り、17日(木)、
母の新型コロナワクチンを無事接種することができました。
この日は朝からラストスパートの猛烈揺さぶりをかけられ、
一時はもう無理かと思いました。
みなさまのおかげです。ありがとうございました。
皆様のお知恵なくして、ひとりでは対応できなかったと思いました。


極めつけ。17日(木)の早朝5時半に目を覚ましたら
私の部屋の入口入ったところに書き置きがありまして。

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これを眺めて、ああもう母への接種は諦めようと思いました。
こんなに嫌がっているならやめよう。
もう可哀想になっちゃって。


しかしな。
まあいい。どうせダメなんだし、しらばっくれてみるかと思い直し
7時に朝食に起きてきた母に
「おはよう! 今日は11時のバスで接種に行きますよ(・∀・)」
とびきり明るく声をかけたら、母、目をまあるくさせて、
「行かないって置いていたでしょう!? 
一睡もしていないんだから注射打ったら死んじゃう」

…置き手紙の件、ちゃんと覚えていました。すごいな。
※「一睡もしていない」は大嘘です。ものすごく盛ります。

 

それから死ぬ死ぬコールがスタート。
検温しようと体温計出すと「ああ、熱は全然ないの」と冷静な母。
36度2分。じゃあ、いけるじゃん。
それで朝食後もう一度、例のグラフを解説しつつ、
一から丁寧に説明を試みると、
奇跡的に接種依頼の自著サインまで漕ぎ着けました。


しかし出発までの3時間が長い! 継続する死ぬ死ぬコールに加え、
今度は保健所に電話して「別の場所がいい」と言いだしたり
「うちから近い場所はどこ」電話をかけたり
近所のクリニックに電話したりと、
凄まじかったです。ADHDの真価を発揮する母。
とにかくじっとしていない。常時動き回ります。
もしもーし、一睡もしてない人、だれですかぁ?


「お父さんもここまでひどくなかったのに、ホントこの子はしつこい」
と吐き捨てられました。
父さん、生前はわからなかったことを、最近になっていろいろ感謝しているんです。
ありがとうね。

 

バスで移動途中、あまりに母のネガティブアピールが強まるので
「母さん。母さんは意図する力が強いから、
悪いことばかり言ってたら、それが実現しちゃうと困るでしょう?
ね。母さんには、未来をつくる力があるの。
だから、ちゃんと明るい未来を持ってきてください」
と釘を刺しました。
すると
「なによ! 明るい未来に決まってるでしょっ!💢」と、
ネガティブアピール激減したのでした。なんだろう、この塞翁が馬感
なにが吉と出るか、今ひとつ読み切れてないわたくし。
母は感覚的になにかがわかっているのかもしれません。


ブーブー罵られながらもとにかく現地にアテンド。
クリニックに伺っても、騒ぐのは母だけで、みなさんはお静か。
ちょっとどうしましょという感じでした(病院ではいつもです)。
しかし、受付でまず、「多動です、認知症です、難聴です」を伝えていたので、
親切にご対応いただけました。
母はあとで「看護師さんがとても親切でよかった」とのこと。ありがたいよぅ。
次にとって大事なことです。

注射は一瞬。ほぼ痛くなかったようで!
すぐにどこに打ったのかを忘れました。ありがたい!!
前腕の虫刺され跡を指して「腫れちゃった」と言う始末です。
か、かわいい…。ばあちゃんだけど。


12時半に接種して、1時にはお薬いただいて完了。
バスが1時間に1本なので、タクシーを手配し、まちまで戻り、
デパートの大食堂でお食事しました。
母、ひと仕事終え、もう、絶好調でごきげんです。

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え、さっきまで死ぬ死ぬ言うてた人、だれですか?

 

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ところで、私がいない間に、民生委員さんが母にお手紙書いていてくださいました。「娘からの連絡を待て」と書いてくださっています。17日も朝から連絡くださって、母からの書き置きに「もしかしてもうダメかも」という私の弱音を「しょうがないですよ」と受け止めてくださって。おかげで奮起して、再度説得を試みることができました。うちに帰ってきたら、門のところに「お疲れ様」と差し入れの飲み物が置いてありました。神じゃ、神。

帰宅したら、母は自分でカレンダーに絵を描いていたので
2回目はスムーズだと思います。ありがたすぎます。
「iteと書いてるけど、痛くなかったんでしょ?」と聞くと「うん」

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でも、気はゆるめんとこな。

明日も副反応が出ないことを祈ります。
17日の夜、「今日はお世話になりました。一人じゃ絶対できませんでした」と言ってニコニコ就寝していきました。別人みたいにかわいい…。
いや、別人。
まあいい。

 

【苦労した原因 母の思いは?】
結局、母は「新型コロナのワクチンの注射がイヤだ!!」「注射、NO、絶対!」で、嫌がっていたのだということが、接種後にわかりました。本当にワクチン接種がイヤなら、接種後に落ち込むはずですが、母の場合は、接種後は舞い上がって喜んでいました。芯にあるのは、接種への、いや、注射への恐怖感だけだった模様…。

グラフで説明解説すると「うん」と納得しましたが、母は1分後に忘れてしまうのだということを、私が把握できていませんでした。短期記憶が激しく欠落するようでした。
また、説明に用いたグラフを大事にしていましたが、3分後には誤解釈していました。表内の「ベネフィット」という文言を「悪いもの」と捉えてしまい、余計にこんがらがったりして。

母がわかっていないということに対しての私の認識不足なのかも。まだまだ難しいです。