急須の蓋の小さなぽっちをつまんだり
柄を握って全体を持ち上げたり
若い時には普通にできた所作も、
高齢になるとしづらくなったり失敗したりしてしまうのでしょう。
愛用していた急須を母が割ってしまいました。
手先が細かく動かせない高齢者でも
使いやすい急須がないかなと思って探していたら
ありました!
ユニバーサルデザインと言っても過言ではないと思しき急須。
波佐見焼の「白山陶器」さんの急須です。
もうひとつ急須への譲れない条件があって、母も私も
陶器茶こし(急須本体と同じ素材で穴があいている)の製品を
使いたいと思っています。
最近の多数派・網茶こし付きの急須は、
お茶の味が変わりそうで避けたくて。
東京の陶器店で、40年ぶりに、
1973年にわが家で購入したレモン色の急須と同じデザインのものを見つけ
懐かしくて購入しました。
こんなふうに再会できるなんて、工業製品はすばらしいなぁ!
そのレモン色の急須は、
ぶんぶく茶釜のようなぽってりしたフォルムが愛らしいのです。
しかも中は陶器茶こし。
割れた急須の代わりにと実家に持ち帰ると
母はとても喜びました。
しかし、ひと月も経たぬうちにこれも割れてしまいました。
やはり蓋のつまみが持ちにくかったのかもしれません。
もうひとつ、狸フォルム(!?)のぽってりデザインのために、
茶葉がやや入れにくく、捨てにくいということにも気がつきました。
捨てるときにどこかにぶつけちゃいそうです。
そしてつるつる滑りそう…。
それらの問題点を解消できそうだと購入したのが上写真の左の急須です。
比較になるように、ぶんぶくデザインと同じフォルムを右に置きました。
入る湯量は左がわずかに少ないです。
◎急須の蓋が大きくてつかみやすい
◎柄を握ったら、無理なく親指で蓋を押さえることができる(右手用)
しかも口がたっぷり!
茶葉入れるのも楽ちんなら、お茶の葉を取り替えるもずいぶんラクです。
◎もちろん陶器茶こしです。穴が小さすぎず、大きすぎずベスト!
写真では見えづらいのですが、柄の部分も握ったときに滑らないように
指を引っかけられるくぼみがついています。
「ねっ、これなら使いやすいでしょ?」と母に勧めたら
「そうだね、使いやすい」と、柄だけ握ってお茶をトポトポと出す母。
母さん、蓋はかならず押さえてください! 絶対に!!
ところで、この急須、よく見るとフタに穴がありません。
探してみると、ポッチ外側に、ほら。
穴から出た蒸気でアチッとなることもありません。すごいな。
難をいえば、注ぎ口が少しだけ長いような気もしました。
母さんぶつけないかな、大丈夫かな。
ただ私が「長い」と感じるのは、
自宅で使っている私の急須の口が短すぎるせい。
欠けた急須の口を自分でサンドペーパーで磨き、
元々より3センチほど短い状態で使い続けています。
注ぎ口が…寸足らず(しかも微妙な欠けあり)。でもキレもよく、使い勝手は抜群です!