日課のアレクサコールでつながるなり
「あの小さいワンコ、ああたが持っていったわよね」と母。
小さいワンコ???
「え、ワンコ? 知らないよ? 小さいってどのくらいの大きさなの?」
「こんなよ、こんな小さいワンコ。ああたが『頂戴』って言ったでしょう?」
いえ、言いません。
母の「こんな小さい」の必死の身振り手振りが、画面から見切れてしまいわかりません。
5分くらいすったもんだ。
私の頭の中は「母から濡れ衣」「母の物盗られ妄想」がぐるぐる…。どうしよう。
しかし冷静に考えると、今の母にとって大事なことは
「大切にしている何かが見当たらない」
本当はシンプルにそれだけです。
ええと、イヌ??? なんだそれ????
ふっと降りてきました、わかったーっ!!
こいつだな。
開運の丑の置物らしいです。通販で買ったと母が喜んでいたもの。
「もしかして丑さんのことでは、母さん」と聞いたら
「丑かなあ、ワンコじゃなかったっけ」
「それは母さんの大事なお友達でしょ? 私は持ち帰っていないし、
かならずおうちにいるので安心してください。絶対そこに居る。
本や書類の下かもよ、探してみて」
と告げて一旦切りました。
ほどなく「あった~」と電話が来ました。
ヨカッタヨカッタ。物忘れがあるのでいろいろ大混乱でした。
私にとっては物事をシンプルに見る練習です。
母いわく、この子にいろいろ話をして聞いてもらうらしいです。
開運グッズ屋さんの通販で母が購入したもの。
「今度はこのお店で石が欲しい」と母が言うので、
気持ちは後ろから羽交い締めで「おうちによいのがあるから買わないでね」と伝えました。
すっかり相棒、お友達。
通販やばい、通販…。