花瓶に挿したススキを窓辺に置いて
お月見団子と、秋の果物を、お月様にお供えする。
私が幼い頃、母としていたお月見はそんな感じでした。
部屋の灯りを消して、まんまるお月様を眺めて、
よく母の月の歌を聴きました。
「月の砂漠」とか「浜千鳥」とか、「十五夜お月さん」、「月」、たまに「炭坑節」も。
「月の沙漠」や「浜千鳥」は母も泣きながら歌うことが多く、
聞きながら、さめざめと泣く幼い私でございました。
それでもとてもやさしいお月見。
お月様の中でウサギが跳ねるの、見えてたっけな。
ちょっと都会に暮らせば、
川原や野原や線路端はどこにも消えてしまい、ススキがなくて困りました。
今はお店で売っているのですから便利です。
ちなみに、前日に大慌てで買いに行ったススキは1本150円(税別)。
まあまあ安いと思って、そのノリでピンポンマムを購入すると
こちらは1本500円! お高くてびーっくり(買うとき値札を確認しなかった私が悪いのです)。
そういえば9月の帰省時、
実家で庭に生えているススキを、草むしりの一環で引き抜いたんでした。
あの大株(大きいんです)、放置しておけば1株1500円の切り花だったんだな(違。
来年はススキを1株、駆除せずに置いておこう。
お月見用にしっかり育てておこうと思いました。
お月見のとき、ススキは、月の神様の依り代なのだそうです。
「月」を歌いながら振りをつける母。
夕方日課アレクサで母で呼びかけると、
お団子はコンビニで調達したとのこと。
デパートまで行かずによかった!
「3本入りを2パック買ってきたから、2階の窓辺にお供えするの」
お月見団子は調達できず、みたらしだそうです。
全然OKじゃないですか! それにしても
ひとり暮らしなのに、なぜ2パックなんだろう。
……突っ込みませんでした。
「お供えしたら、お下がりを夕食にいただく」と言うので
「2パックあるんだから、1パックは先にいただけばいいじゃないですか」
と諫言すると、「そうよね。いいよね。2パックあるんだもの。もうお腹ペコペコで困ってたのよ」。
そうかい、そうかい。
夕食はお下がりのみたらし団子。
気ままなひとり暮らし。いいと思います。