うれしの茶を毎朝低温でじっくり淹れます。
淹れ終わってから茶葉をあけて急須をすすいだあと
いつもと異なる小さな音がしたのでのぞいてみると
茶こし部分がそのままはずれていて驚きました。
1枚目:底に茶こしが落ちています。この音でした! 2枚目:珍しいのではずれた茶こし部分のアップ。3枚目:裏から見るとこんな感じ。定期的に酸素漂白剤かけていましたが、裏は結構スゴイ汚れでした!
陶器製の急須で茶こしがはずれるのを始めて見ました。
さすがにここを継ぐことはできなさそう。
毎日使うことからは卒業でしょうか。
(ティーパックならまだ使えます)
思えば、2010年頃だったか、不注意でものを落として口を折ってしまいました。
幸い口が折れただけだったので、
折れたところを来る日も来る日も紙やすりで磨きあげて“短い口”にして
復活させました。
磨きあげて復活させてから10年は使ったと思います。
とても手に馴染む急須でした。お疲れ様。
毎日おいしいお茶をありがとうね。
卒業は寂しいけれど、こんなふうに使いきったのはうれしいような。
さて明日からどうしよう。
急須は2つ持っていて、もう一方(写真手前の赤)は亡き義母から受け継いだものです。
義母とは器の趣味が似通ってました。
すごく気に入っていますが、毎日使うには、少しだけ小さく感じます。
一方、中にステンレス製のデカい茶こしがついた
古い急須風ティーポットも出してきて試してみました。
19歳(1984年)に、富田林の西友で購入したモノだと思います。
ほうじ茶など大きな茶葉を淹れるのはいいですが、煎茶向きではありません。
茶葉の沈み方が半端で、繊細な味わいが引き出せない…。
それと、私は金属アレルギーなので、
お茶を淹れるのに金属茶こしを使うのはやっぱりナシ。
微妙に落ち着かなくて、
“気にしぃ”の私はやかんも陶器製を使っています。
しばらく悩んでやはり、実家の母に購入したのと同じ急須で
色違いを自宅用にあつらえました。実家は白。自宅には青白釉を選びました。
届くまでにひと月ほどかかるそうです。
これは実家で使ってみて、大きさがいいのと、茶こしの穴の仕事が丁寧なのと、
年を取れば取るほど使いやすいデザインだと感じ、惚れ込みました。
もうすぐアラ還ですから!
できれば20年は使いたい。本当は私より長生きしてほしい。
そんなことを思いながらポチりました。
波佐見の白山陶器、大好きです。義母がまた好きでした、白山陶器。
【余談 形あるものはいつか滅す】
釣りキチだった亡父。私が小学校4年生くらいのことです。たしか仙台港(宮城県)あたりに釣りに連れて行ってもらったときに、父のたいへん高価なン10万円の釣り竿の先を、私がポキッと折ってしまいました。
衝撃です。私も衝撃でしたが、価値が充分にわかっている父の衝撃はいかばかりか…。しかし、そのとき、父は「形あるものはいつか滅す」と静かにつぶやいただけで、私は少しも責められず叱られませんでした。50年経っても、ものが壊れたときにふと思い出します。
父さん、大事なカーボン釣り竿を壊してごめんなさい。
形あるものは壊れるし、形のないものだって、似たようなもの。万物はどんどん変化していきます。だから今が愛おしいのかな。