認知症母の遠距離介護記録

91歳独居の母は要介護1。認知症で高齢者のADHD、片耳ろうからの両難聴。眼底出血による視野狭窄と視力低下。そして腰椎圧迫骨折!! 東京~九州で、遠距離介護しています。執筆者は1965生の娘。いろいろあるけど、まあいい!

ホンネとタテマエ。高齢母はTVがお好き!?

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私が子どもの頃、母は教育ママゴン
週に一度の「ノーテレビデー」を設けていたほど
TVを目の敵にしていました。


あんなに嫌っていたのだから
当然、今でも母は、TVはNHKだけを見るくらいだろうと思っていたのに
介護帰省のし始めの2016年、
昼間にリビングでひとり、
民放のバラエティ番組をぼんやり見ている母を見て
衝撃を受けたことを覚えています。
 ①昼間からテレビ ②民放の ③バラエティ番組!
その3点に対して、私の驚きはマックスとなりました。


母が入院したときも
テレビをつけている頻度がわりと高いことに、私は少なからず驚きました。
そのくせ、「お母さんはニュースしかテレビは見ないから」
決まって言うのです。

そうか、タテマエは「TVは見ない」けど
TVが近くにあれば、
適当な番組を見てごきげんさんなんだと気づき、
母の入院中に、
退院後、自室のベッドに休みながら見られるテレビを通販で購入し
母のベッド足元に配置するプランを立てました。


設置工事は母の退院後にしました。
工事の朝に事の次第を話すと、案の定、母はプンスカ。
いよいよ設置工事が始まったというのに、
技術担当の方の前でも超グズラ
「もったいない。持って帰ってもらってちょうだい。
私、TVはいらないんだから」とプンスカ&グズラで、
「まあまあまあまあ…」と別の部屋に連れて行って
おだてたり、話をそらしたりしてやりすごしました。
技術担当の方に申し訳ないこと限りなし、でした。


設置工事が終わって、技術者もお帰りになり
私の勧めにいやいや従って
試しにベッドに横になってTVを見ていると、
母はケロッと「あら、いいわね」
さっきまでとは別人になりました。
半日後には「ねえ、下のTVと同じように文字が出るようにして」と
注文も来ました。※母は文字放送で視聴します。
後腐れがないのは母のいいところです。


今、母は、夜8時過ぎから寝る仕度をはじめ
9時には自室に入ります。
一日の終わりに仕度を調えて
ベッドの上でひとり気ままにTV番組を眺めているのが
母のゴールデンタイムです。


でも、「お母さんはTVはほとんど見ないの」です。
ホンネとタテマエが大きく異なることもあります。
もし、ちがいに気づいても言わないであげたほうがいい。
高齢者のタテマエを尊重することは大事かもなと思います。
高齢者に限らず、ありがちなのかもしれません。自分もね。